サッカー日本代表が21日、千葉県内で30日の国際親善試合ガーナ戦(日産ス)とワールドカップ・ロシア大会へ向けた国内合宿をスタートした。

 この日、報道陣に配られたガーナ戦に招集された27選手が記されたメンバー表には、川島永嗣(35=メッス)、東口順昭(32=ガンバ大阪)、中村航輔(23=柏レイソル)のGK3人以外、ポジションが記されていなかった。

 西野監督は、18日に都内で開いたメンバー発表会見の中で、FWを4人しか選出しなかったことについて聞かれ「スタートのポジションにメンバーを置いていない。GK以外はポジションは外して欲しい」と強調。その上で「前線をやれる選手は、FWだけじゃなくシャドーMF的、サイドに入る可能性もある。MFでも1、2、3トップで起用の可能性もある。ポリバレントにこなす選手がたくさんいる。柔軟に対応していく力、戦術、戦略的なものも持って欲しい。オプションも考え、選手に伝えたい」と説明した。

 その言葉どおり、合宿初日に配られたメンバー表には、長谷部誠(34=フランクフルト)以下のフィールドプレーヤー24選手はポジションごとに分けられておらず、最年長34歳の長谷部から最年少21歳の井手口陽介(クルトゥラル・レオネサ)まで年齢順に並べられた。

 西野監督は練習後の囲み取材の中で、ガーナ戦について聞かれ「決してコロンビアを想定しているわけではない。チームの戦い方…全員がチーム作りに対し、共通した方向を向いて共有できれば…そこは最低限。パフォーマンスは、おそらくスムーズには入れないと思うんですが」とチームの戦い方を共有する試合であることを強調した。

 一方で、クラブでの練習中に味方と接触し、右大腿(だいたい)四頭筋に腫れがある乾貴士(29=エイバル)、20日の名古屋グランパス戦でFWジョーと交錯し、後頭部からピッチに落下して昏倒(こんとう)した、柏レイソルGK中村航輔(23)について「少し時間を要するケガ…乾しかり昨日の中村しかり時間がかかりそうなので、メンバー編成的にも少し考えなければいけないかな、ということは若干よぎる」と語った。久保裕也(24=ヘント)の追加招集の可能性についても「乾の状態、岡崎の状態…香川を含めて可能性を見極めをした上で考えていきたい」と語った。

 フィールドプレーヤー24選手には、西野監督も口にするように複数のポジションでプレーできる選手が複数名いる。故障者の状況を見極め、現有の戦力の合宿での現状を見て編成をしていく中で、ポジションごとに区切られていないメンバー表が、どのように色づけられるか。その色はガーナ戦で、かいま見えるのだろうか?【村上幸将】