日本サッカー協会は4日、10月の国際親善試合「キリンチャレンジカップ2018」2試合の日本代表メンバーを発表した。

長友佑都、吉田麻也、酒井宏樹、原口元気、柴崎岳、大迫勇也というワールドカップ(W杯)ロシア大会のレギュラーが招集された。

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【解説】安倍政権は「全員野球内閣」だそうだが、森保ジャパンもコンセプトは「全員攻撃、全員守備」だと指揮官が会見で言い切った。

攻めも守りも、とにかくチームのために汗のかける選手が多く集まった。

前回9月の招集ではクラブの活動優先と、新戦力の登用のため見送られた主役が、続々復帰した。

ロシアで西野監督が率い、躍進したレギュラー11人のうち、最終ラインに長友、吉田、酒井宏の3人、中盤にも原口、柴崎、前線に大迫が戻り、前回は0人だったレギュラーが6人になり、過半数がロシア組になった。

この6人は、計算が立つ。味方に与える影響力に加え、背中でもチームのために力を発揮できる選手たちだ。

弁の立つ長友や吉田、熱い原口らは、面と向かってチームに厳しさを植え付けることもできるはずだ。

彼らと、9月に抜てきされ、生き残ったリオデジャネイロオリンピック(五輪)世代の南野、中島、東京五輪世代の堂安らをどう融合するかが、当面の大目標である来年1月のアジア杯UAE大会に向け、森保監督の腕の見せどころとなる。

ただ、世代は大きく違うが、融合が期待される彼らには「海外組」という共通点がある。生存競争の激しい海外のクラブで、体格差のある外国人選手と日常的にやり合っている。呼吸を合わせることは、そんなに難しいことではないはずだ。

ポイントは、前回主将を任せた最年長の青山に、再び主将を任せるのかどうか。青山は人格者で、プレーも味があり、何よりサンフレッチェ広島で師事した森保監督のやり方を知っている。ただ、国内組である。

厳しさプレー強度、レベルで、また違った環境にいる海外組、かつ、ロシアでチームが長谷部のもとで短期間で1つになっていった過程を知る海外組に、主将を任せる手もあるのではないだろうか。

メンバー選考に続く森保監督の決断が、楽しみだ。

【サッカー担当キャップ=八反誠】