日本代表にFW北川航也(22=清水エスパルス)が初招集された。けがのFW小林悠(31=川崎フロンターレ)に代わっての追加招集で、フィールド選手で清水からの選出は11年のFW岡崎慎司(32=レスター)以来となった。世代別の代表にも選ばれ続けた逸材。代表通算50ゴールの記録を持つ大先輩・岡崎を目標に、急きょ巡ってきたチャンスをものにする。

ジョギングなど軽いメニューで初日を終えた北川の表情は、笑顔に少し緊張が交じっていた。「ここがスタートライン。やっと立てた」。清水では3年目で初の2桁得点となる11ゴール、7アシスト。森保監督が視察した9月21日のG大阪戦でも得点した。「どういう力を持っているか見たい」という指揮官の言葉からも、あくまで立場は挑戦者。「DFの背後に抜けるプレーを増やせれば」と、アピールに意気込む。

6月のワールドカップ・ロシア大会はテレビ観戦した。ベスト16に進んだ西野ジャパンの姿に「日本代表があそこまで渡り合って、自分もという気持ちになった」。優勝したフランス代表の19歳FWエムバペら、年下の選手のプレーも目に焼きつけた。

さらに9月、世代別代表でチームメートだったMF南野らがコスタリカ戦で躍動し3-0の快勝。新生日本代表の初陣で存在感を見せつけた。「近い世代が躍動していて、自分も活躍したいという気持ちになった」。清水で結果を残し、チャンスをつかんだ。

フィールド選手では岡崎以来となる清水からの選出。クラブでは16年1月から、岡崎がつけていた背番号23を受け継いでいる。食事をともにしたこともあり、現在もLINEで「わからないことがあれば聞く」という間柄だ。アドバイスで特に大切にしているのは継続することの大切さだ。「シュートを打ち続ける、仕掛け続ける、プレスに走り続ける」。この言葉を胸に3年目の今季、岡崎が観戦に訪れた7月のC大阪戦でもゴールを決めた。

成長を見せての代表選出。ジュニアユース時代にボールボーイとしてプレーを目で追った大先輩と同じ舞台にたどり着いた。「岡崎選手を…という気持ちで」。森保ジャパンのストライカー候補として、新たな挑戦に胸を高鳴らせた。【岡崎悠利】

◆北川航也(きたがわ・こうや)1996年(平8)7月26日、静岡市生まれ。兄の影響で5歳からサッカーを始める。清水ジュニアユースからユース、15年にトップチーム昇格、各世代別日本代表に選出される。J1初出場は15年5月23日アウェー湘南戦、初得点は同年11月22日アウェー甲府戦。180センチ、74キロ。血液型O。