完勝した日本だが、アクシデントにも見舞われていた。後半13分、ボランチとして先発したMF遠藤航(25)がイランDFレザイアンと競り合ってピッチに倒れた。そのままプレー続行不可能になり、駆け寄った仲間が両手で「×」をつくった。頭を固定されて担架で運び出されると、そのまま15分にMF塩谷司と交代した。

試合後の会見で、森保監督は「左のもも裏に痛みがあるということで報告を受けています」と話した。遠藤は29日にも検査を受ける予定で、2月1日に迎えるUAE対カタールの勝者との決勝(アブダビ)出場は厳しくなった。

退場間際の場面に、今の日本代表の結束力を象徴する出来事があった。担架で運ばれてベンチ横に戻ってきた遠藤に、指揮官がすっと歩み寄った。「よく戦ってくれた。この試合、勝つから」。全員の思いを代弁して伝えた。「これまでよく戦ってくれてたので。本人に届いたか分かりませんけど」。ボランチは大会1次リーグ初戦前にMF守田英正、同21日の決勝トーナメント1回戦サウジアラビア戦後にMF青山敏弘が負傷離脱。今大会同ポジションで3人目の離脱者となるのは痛いが、一枚岩で決勝の切符をつかんだ日本がしっかりとスクラムを組み、この難局を乗り越えていく。