【レンヌ(フランス)=松尾幸之介】W杯フランス大会を戦う女子日本代表「なでしこジャパン」が23日、オランダと戦う25日(日本時間26日午前4時)の決勝トーナメント1回戦へ向け完全非公開で調整した。

ボランチで先発が濃厚なMF三浦成美(21)と杉田妃和(22)が体格に勝る相手の攻撃を止められるか、中盤での競り合いが勝負の分かれ目となりそうだ。

身を投げ出して相手を止める。三浦は「ここからが本番。びびらずにできている部分もあるし、世界とやれる実感がある部分もある」と自信をみせる。国際サッカー連盟のデータで両者を比較すると、1次リーグ3戦での総パス数は大差ない中、タックル、被タックル、クリアの数は日本が上回った。イングランドら大柄な相手との激しい競り合いをくぐり抜けた証で、自由を与えない果敢なボディーコンタクトは体格に劣る日本の生命線となっている。

ボランチの活躍がチームを飛躍させる。優勝した11年W杯ではMF澤と今大会もメンバー入りするMF阪口のボランチコンビが攻守に躍動。チームメートが「そこに追い込めば全部とってくれる感じがあった」と語る存在感で欧米チームに対抗した。阪口は右膝の状態が思わしくなく、次戦も欠場が濃厚。そんな中で所属するINAC神戸で澤の背番号8を受け継いだ杉田と、阪口の所属する日テレの後輩である三浦が台頭。ここまで2人ともにW杯全3戦連続で出場中。杉田は「相手は展開力がある。スピードを吸収できる立ち位置がとれたら」。17年FIFA女子最優秀選手賞を受賞したFWマルテンスら強力攻撃陣を止め、8強進出への足がかりとする。