日本代表(FIFAランキング33位)は5日、国際親善試合キリンチャレンジ杯のパラグアイ戦(同39位)を迎える。

不動の1トップ、FW大迫勇也(29=ブレーメン)が先発予定。4日に公式練習を行った会場カシマは鹿島時代の古巣で16年11月のオマーン戦では2得点している。吉兆のスタジアムから、W杯カタール大会アジア2次予選の初戦ミャンマー戦(10日、ヤンゴン)へ弾みをつける。

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大迫が、半端ない覚悟で立ち止まった。試合に集中するため無言を貫くことが多かった取材エリアで「いよいよ、また始まるなという気持ち」と第一声。過去2度のW杯出場も、その予選に最初から出たことはなく「今は中心としてやらせてもらっている。責任感を持って、自分にプレッシャーをかけて、やるべきことをやっていく」と言った。

その前に、まず今夏の南米選手権8強パラグアイを迎え撃つ。優勝したブラジルに敗れはしたが、0-0からのPK戦で3-4と肉薄した難敵で「いいチームが国内に来てくれた。成長できるチャンス」と歓迎した。会場も09年から13年まで所属した鹿島の本拠。日本代表としても16年11月のオマーン戦で2得点したスタジアムだ。当時の大迫は代表から遠ざかっており、約1年4カ月ぶり招集だった。そこで2発。一気に最終予選、本大会のエースに上り詰めた。「またカシマでプレーできて、うれしいっすよ。点が取れるイメージもある」という舞台から3度目のW杯へ踏み出す。

一方で「もう鹿島(在籍5年)よりドイツ(7季目)の方が長いし」と自負を笑顔に込めた。ブンデスでは絶好調。1日アウクスブルク戦で2得点し、リーグの公式ベスト11に選ばれるなど3戦3発。1トップ、もしくはトップ下と希望の中央を任されており「やりたいようにやらせてもらっている。その分、重圧があるけど楽しい」と信頼は抜群。「今まで代表とクラブでスイッチをオンオフしないといけなかったけど、切り替える必要がない」と勢いをそのまま持ち込める。

最多の海外組19人が名を連ねた中、自覚は人一倍。普段は他人を語らない男だが、MF久保について「自分が18歳の時と比べものにならない。技術も高いし、賢い」と称賛した。その新鋭に6月のエルサルバドル戦では好パスを送ったが、今回は「結果を出したい」と得点を狙う。森保ジャパン最多の10戦7発も「3度目のW杯へ死に物狂いで」と慢心はない。【木下淳】