森保ジャパンが、W杯カタール大会アジア最終予選へ王手をかけた。日本開催だがアウェー試合で無観客の状況下で、FW大迫、MF南野、鎌田と前線3人がそろって得点。MF守田、DF松原の代表初ゴールも飛びだした。参加40チーム中、唯一の全試合無失点勝利でカタールへの歩みを進めた。日本は、10-0で勝利した97年3月、6月のマカオ戦を上回り、W杯アジア予選での最多得点記録を更新した。

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圧巻のゴールラッシュだった。前半だけで南野、大迫、鎌田の前線トリオが得点を挙げ、MF守田が国際Aマッチ初得点。さらに、代表デビューとなったDF松原がオウン・ゴールを誘発し、5得点を奪った。

19年10月のホームでのモンゴル戦は6-0で大勝。明らかな格下相手にもかかわらず、森保一監督は主力組の大半を先発で起用した。3-0で快勝した25日の韓国戦から入れ替えたのは、両サイドバックのDF松原と小川だけ。指揮官は「ビッグゲームの後の試合ほど難しい」とチームを引き締め「どういう目的、意義で戦っているのか」と、各選手に相手ではなく自分自身に矢印を向けて戦うことを意識付けた。韓国戦で見せた気迫あふれる球際、闘う姿勢はこの日も変わらなかった。前線は「得点・アシスト」と目に見える結果にこだわり続け、デビューの松原は先制点をアシストするなど監督の期待に答えて見せた。

後半開始からは、新システムに挑んだ。MF守田に代わり、FW浅野を投入。中盤の底にMF遠藤を据え、トップ下に南野と鎌田を共存させた。左FWに浅野、右FWに伊東が入る「4-1-2-3」だ。森保監督は戦前、試合途中でのシステム変更を示唆していた。既に3バックは公式戦で試しているが、鎌田と南野の2人をトップ下に置く「4-1-2-3」をお披露目した形だ。

後半19分にはDF中谷、MF稲垣を投入し、ともに代表デビューを果たした。今回、初招集した国内組は8人。25日の韓国戦、今回のモンゴル戦の2試合で、GK前川以外、初招集の全フィールド選手が日本代表のピッチに立った。チームとしての経験値も上がり、W杯アジア最終予選へ大きく弾みをつけた。

 

▽記録的大勝アラカルト

▼1試合最多得点 日本が国際Aマッチで1試合14ゴールは史上2位。最多は67年9月27日のメキシコ五輪予選フィリピン戦の15点で、W杯予選で14点は最多記録となった。

▼8人14得点 1試合8人がゴールは最多タイ記録(他にオウンゴールで1点)。80年3月24日のモスクワ五輪予選フィリピン戦でマークした8人に41年ぶりに並んだ。

▼ハットトリック FW大迫が達成。自身初。19年12月14日の東アジアE-1選手権、香港戦でのFW小川航基以来、通算22人目(35度目)。