東京オリンピック(五輪)サッカー男子の森保一監督や、オーバーエージ(OA)枠のDF吉田麻也主将、MF久保建英ら主力がそろってA代表として戦うことになる22年ワールドカップ(W杯)カタール大会のアジア最終予選が9月に開幕する。同予選について、アジア・サッカー連盟(AFC)が集中開催での実施も視野に入れていることが3日、分かった。

AFCは7月1日の組み合わせ抽選会後、出場国協会、連盟に公式文書を送付。「最終予選は、ホームアンドアウェー方式での開催になるが、新型コロナウイルスの影響でホーム開催が難しい国が出る可能性もあり、セントラル方式の集中開催に切り替わる可能性もある」との一文が入った。日本協会の幹部は「大会方式がどう変わっても対応できるように準備する。AFCからの公式文書の内容は森保監督にも伝えているし、監督からも『問題ない』と言われている」と話した。

最終予選は、2次予選を勝ち上がった12チームが2組に分かれ、ホームアンド・アウェーで、それぞれ10試合を戦い、アジアに与えられた4・5枠を争う。これが基本方針で、B組の日本は9月2日にオマーンとの初戦が予定されている。来年3月下旬には、全日程を消化する予定となっており各組上位2チームがW杯切符を手にする。その後、両組3位チームによるプレーオフをへて、勝者が北中米カリブ海予選4位のチームとの大陸間プレーオフでラストチャンスにかける流れ。

ただ、コロナ禍で2次予選の日程が大幅にずれ込んだように、順調に日程を消化できるかどうかは、未知数といえる。一方で本大会は、来年11月に開幕する。2次予選のような1年延長などはできず、日程的な余裕はない。今月中にはAFCから再び具体的な方向性が示されるとみられる。

日本協会は、ホームアンドアウェー方式が最も公正なやり方との立場。ただ、別の関係者は「集中開催になっても、日本にとっては大きな問題にはならないはず。むしろ短期決戦は今現在、東京五輪で森保監督や主力選手、スタッフも経験している。日本にとって悪い選択肢ではない」と話す。

猛暑の中、中2日の厳しい日程の試合が続いても、一定の競技力を保ってきた森保ジャパンにとって、東京五輪はW杯最終予選が、短期集中決戦になった場合のシミュレーションにもなっている。