パリ・オリンピック(五輪)を目指すU-22日本代表が、来季J1東京入りが内定している18歳のMF松木玖生(くりゅう、青森山田高3年)の先制点などでU-22カンボジア代表に快勝した。

松木は追加招集ながら中盤の一角で先発し、前半10分にセットプレーから先制点。4-0の完勝につなげた。日本は28日にU-22香港代表と対戦する。

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コロナ禍の影響で、約2年ぶりとなった世代別代表の国際大会。高校3年の松木が日本の緊張を解きほぐした。前半10分、DF加藤の右CKをファーサイドで頭で合わせて先制。「相手のセットプレーでファーが空くのは知っておいた。うまく入ることができて得点につながった」。冨樫監督は「準備してきたもので先制点が取れたのは大きかった。数字を残すのは彼の特長。結果に表れて良かった」とたたえた。

神戸MF桜井の負傷で、松木が4歳年上の世代の「飛び級」で追加招集された。Jリーグ組が24、25日に試合があり、22日の合宿初日から参加していた松木に先発のチャンスが回ってきた。試合前には「ここで結果を残さないと次に呼ばれない」と、得点の目標を口にしていた。有言実行の一発回答に「気持ちの面で、途中で参加してダメだと思われないように結果だけに集中した」。あえて目標を口にすることにも「自信があるから言えること。自信があるからこそ、プレーを見てほしいし。日本の代表として貢献したい気持ちがあるので、気持ちはぶれていない」と頼もしい。

「ピッチの上では年代は関係ない」と年上の年代にも要求は怠らない。初めての「4-3-3」の布陣でも、準備期間が短い中でMF田中、中盤の底のMF松井と連係面を深め、攻守にハードワークした。ものおじしない姿勢と有言実行ぶりは、元日本代表MF本田圭佑をほうふつさせる。本田も、反町ジャパンが発足した06年6月の最初の国際大会(日中間3カ国対抗・中国戦)でチーム1号を決めている。本田はカンボジア代表を実質的に指揮しており、この世代の選手らの多くを指導している。本田の教え子から得点を挙げた松木が、パリに向けた新スター候補に名乗りを上げた。【岩田千代巳】

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