8月に行われたU-20女子ワールドカップ(W杯、コスタリカ)で準優勝した日本代表の池田太監督(51)、キャプテンのDF長江伊吹(20=長野)、MVPに輝いたFW浜野まいか(18=INAC神戸)らが1日、東京・文京区のJFAハウスで行われた帰国会見に出席した。

日本はフランス、ブラジルなどの強豪国をやぶり、決勝に進出。18年フランス大会以来の連覇はならなかったが、準優勝という堂々の結果を残した。

長江は、約1年半前にこのチームが立ち上がってからの思いを語った。「なかなかコロナの影響を受けて全員で集まることができず、合宿も中止になったり、海外との試合経験がない中での今大会。正直、不安はあった」。それでも心を奮い立たせたのは、発足当時に全員で立てた「世界一になる」という目標だった。

「ひたむきに走り続ける、最後まで諦めない姿を日本中だけでなく、世界中に見せられたと思う。多くの方々に愛されたり、応援されたチームで戦えたことを誇りに思うし、1カ月間楽しかったです」

試合を重ねるごとに、現地の観客からの応援が増えていることも実感した。日本の試合の客席はどんどん埋まり、日の丸を持つ姿も増えた。「日本が試合後にあいさつした際にはスタンディングオベーションで迎えてくれたり、拍手があんなに温かいものなんだなと感じました」。

直前キャンプ地のリベリアでは、コスタリカへの出発前に激励の手紙をもらったという。池田監督は、現地の人たちの心をつかんだ選手たちの振る舞いに目を細める。

「ホテルの従業員の方々にも笑顔で明るくあいさつして、現地の言葉で会話し、コミュニケーションを取って、1つ1つの心のつながりが生まれた。1つ1つの生活の中にもなでしこらしさ、良さが出ていたんじゃないかと思う」

なでしこジャパンが大切にしてきた精神を、選手たちがピッチ内外で自然に表現した。準優勝という結果以上に、たくさんのものを残したはずだ。