U-17日本代表は決勝トーナメント1回戦で同スペインに1-2で敗れ、5大会ぶりの8強入りを逃した。D組3位の日本はB組首位のスペインに先制されるも、エースFW名和田我空(17=神村学園)の得点で同点。タフに戦ったが、後半に勝ち越しを許した。目標の4強には届かなかったが、1次リーグでの戦いを含めて、最後まで戦う姿勢を見せ、今後に期待を抱かせた。
昨年のW杯カタール大会の再現はならなかった。ヤングジャパンはスペイン相手に先制を許し、同点に追いつくところまではA代表と同じ展開だったが、追加点を奪えず、逆に勝ち越された。
その中でもFW名和田がアジア杯MVPの意地を見せた。0-1の前半40分、MF佐藤が右サイドで相手DFからボールを奪うと、中央にいた名和田へパス。キックに自信を持つ背番号14は、ペナルティーエリアの手前から右足を振り抜き、ゴール右に沈めた。
7月に行われたU-17アジア杯では、得点王とMVPをダブル受賞。今大会でも優勝とタイトル獲得を誓っていたが、思うような活躍はできていなかった。1次リーグ初戦で先発するも、得点に関わることなく後半27分に途中交代。第2、3戦は出番なし。満を持してのスタメン出場で強烈なゴールを決め、才能の片りんを示した。
今大会、FW高岡が3試合連続弾など躍動。全員が粘り強く戦うスタイルで「死の組」と呼ばれた1次リーグを突破した。スペインには、大半の時間帯でボールを保持される中、自分たちのスタイルで立ち向かったが、はね返された。チームを率いて3大会連続の16強に終わった森山監督は「みんな燃えかすになるくらい頑張ってくれた。それは誇りを持って言える」と総括。それでも悔しさは残る。「悔しいW杯の旅が終わりましたけど、U20のW杯、五輪、A代表と旅が続く。このリベンジはW杯、五輪でしかできない。本当に頑張ってほしい」と願った。