【ドーハ22日=佐藤成】日本が宿敵韓国に0-1で屈し、勝ち点6の2位に終わった。ともに2連勝で突破を決めていた中、前戦から先発7人を入れ替えた日本は複数回の好機を外し、後半30分にCKから今大会初の失点を食らった。MF藤田譲瑠チマ主将(22)ら主力を後半途中からフル投入も及ばず。敗れれば8大会連続の五輪を逃す準々決勝(25日)は、A組を2勝1分けで首位通過した開催国カタールと対戦する。韓国はインドネシアと戦う。

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パリへ、アジアの頂へ、試練の初黒星となった。B組1位を争った日韓戦は、穏やかすぎた前半から一転死闘に。後半30分に右CKから先制を許した。追加タイム。最後の望みをつないだMF佐藤のヘディングも左ポストをたたく。大岩監督は「勝ちたかった。次の試合がある。切り替えたい」と悔しさを押し殺した。

メンバー投入まではブレなかった。「23人全員で戦う」。3日前のUAE戦からスタメンを7人入れ替えた。GK野沢、DF半田とMF田中は初の出番。過去2戦3発の“韓国キラー”FW内野航も、唯一の大学生ながら初先発に抜てきした。前半は0-0でしのぎ、劣勢でも耐え切った。

引き分けなら規定でPK戦になる中、チームは90分で勝ちにいく。後半18分、一挙3人代え。中盤の2枚看板である藤田、松木、さらには10番の佐藤を投入。しかし攻勢に出た矢先、均衡を破られた。相手の右CKに野沢が飛び出すも、触れない。大奥に陣取られた選手に頭で押し込まれた。

今大会初の失点直後、ギアを上げる。エースFW細谷に加え、中盤をつかさどる山本も途中起用。気温32度の気候下、互いに消耗した展開で踏ん張り、猛攻を仕掛けた。決定機を幾度となく作ったが、DFの体を張ったブロックに阻まれ、枠をとらえられない。最後まで1点が遠かった。山本は「仕留めきれなかった」と精度の低さを悔やんだ。

痛恨の2位。負ければパリへの道が断たれる準々決勝の相手は、無敗の地元カタールになった。大岩監督は「相手がどこであろうと厳しい試合になる」と覚悟の上で、松木は「次は勝たなければ敗退。アウェーから日本に勝利を届けたい」と奮い立った。収穫は、第3GK山田を除くフィールドプレーヤー全員が出場経験を積んだこと。総力戦でパリ切符をつかみに行く。

【U23日本代表】日本0-1で韓国に敗れ2位通過 準々決勝は開催国カタールと対戦/ライブ詳細