【ロンドン3月31日(日本時間4月1日)=佐藤成】日本代表(FIFAランキング18位)が、聖地ウェンブリーでイングランド代表(同4位)を1-0で破る歴史的金星を挙げた。6月11日に開幕するワールドカップ(W杯)北中米大会まであと2カ月12日、優勝候補を相手に試金石となる一戦で、前半23分にMF三笘薫(28=ブライトン)が挙げたゴールを守り切った。昨年10月のブラジル代表戦(2-1)に続き、W杯優勝国からの勝利となった。
過去3度対戦して1分け2敗。10年5月以来となったサッカーの母国との顔合わせ。イングランドはエースFWケーン(Bミュンヘン)が練習中の軽い負傷でベンチ外となった中、1トップにMFフォーデン(マンチェスターC)を配置するゼロトップで臨んできた。
日本は離脱中の南野拓実(モナコ)や遠藤航(リバプール)らがスタンドで見守る中、森保一監督は現時点のベスト布陣をウェンブリーのピッチに送り込んだ。
約8万人の大観衆の中、トップ下のパーマー(チェルシー)の卓越したボールキープの前に前半から押し込まれる展開が続いた。我慢する中、最初のチャンスを得点に結び付けた。
前半23分、中盤で三笘がパーマーからボールカット。拾ったMF鎌田大地(クリスタルパレス)からFW上田綺世(フェイエノールト)に入り、そのポストプレーから三笘がボールを受け直してドリブルでカウンターを開始。左サイドを走るMF中村敬斗(Sランス)へパスを託すと、ゴール前へ走った。そしてグラウンダーの折り返しのパスを右足で正確にゴール右隅へダイレクトで流し込んだ。電光石火のカウンターが決まった。敵将トゥヘル監督は両手を上げ、天を仰いだ。敵地が静まり返った。
イングランドが攻勢をかけてくる。前半34分、MFアンダーソン(ノッティンガムF)のシュートはGK鈴木彩艶(パルマ)が伸ばした手の先を越えたが、ゴールバーを直撃。同36分にはDFオライリー(マンチェスターC)のクロスボールがファーサイドへ入る。フォーデンが飛び込んできたが、鎌田が頭でクリアした。最終ラインの谷口彰悟(シントトロイデン)渡辺剛(フェイエノールト)伊藤洋輝(Bミュンヘン)も体を張った粘りのディフェンスが光る。
ピンチは続くが、日本は前半41分に再び好機を作った。中盤でMF佐野海舟(マインツ)がボール奪取から前線へスルーパスを通す。受けた上田は右足シュートを放ったが、クロスバーを直撃してゴールはならなかった。
ボールを握られながらも日本はカウンターから追加点を狙った。後半5分、キャプテンマークを巻いたMF堂安律(Eフランクフルト)が右サイドから強烈なシュートを放ったが、GKピックフォード(エバートン)にセーブされた。
後半9分には右からMF伊東純也(ゲンク)がスピードを生かして突破からクロスボール。上田が頭で狙ったが、わずかにあわず。同10分には左の中村からの折り返しから伊東が右足で狙ったが、ここはブロックされた。日本が勢い付いた。
後半21分には伊藤からDF瀬古歩夢(ルアーブル)、上田からFW小川航基(NECナイメヘン)へ交代。森保監督は手堅く1点を守りつつ追加点を狙うスタンスを取った。同24分にはカウンターから左でボールを受けた中村が得意のカットインシュート。ゴール右を狙ったが、わずかに外れた。
後半26分には三笘、堂安が下がり、DF鈴木淳之介(コペンハーゲン)を左ウイングバックへ、MF田中碧(リーズ)がボランチに入った。伊東を右ウイングバック、鎌田と中村を左右シャドーへと配置転換し、より守備を固めた。
猛攻を受けたが懸命に耐えた。フレッシュな選手で運動量を増やすべく、後半36分には伊東、鎌田、中村を下げてDF菅原由勢(ブレーメン)MF鈴木唯人(フライブルク)FW町野修斗(ボルシアMG)が投入された。
イングランドは終盤パワープレーで同点ゴールを狙ってきたが、チーム一体となったディフェンスに加え最高峰の守護神・鈴木が安定感を見せつけた。W杯を見据えた最高のテストマッチとなった。4分のアディショナルタイム。我慢に我慢を重ね、試合終了のホイッスルが響いた。
世界から注目された一戦で、強豪イングランドから初勝利を挙げた。その衝撃は計り知れない。日本代表は今回の英国遠征でスコットランド戦(1-0)に続く2連勝となった。
決勝点を挙げた三笘は「チームとして狙いどころはああいうシーンだったので、前半しっかりと1点を取れたことで自分たちの余裕も生まれました。今までの戦い方をすれば勝てるというところの自信はありました」と手応えを口にした。また、アシストの中村も「歴史的勝利になりました。W杯に向けて自信を得られました」と喜びをかみしめた。
日本はW杯1次リーグで6月14日(日本時間15日)にオランダ、20日(同21日)にチュニジア、そしてこの日の欧州プレーオフで勝利したスウェーデンと25日(同26日)に対戦する。

