日本サッカー協会(JFA)は2日、都内のJFAハウスで会見し、女子サッカー日本代表のニルス・ニールセン監督(54)が契約満了で退任すると発表した。3月に行われたアジア杯で優勝を果たした中、実質的な“電撃解任”と言える。女子ナショナルチームダイレクターの佐々木則夫氏は、来年6月開幕のW杯ブラジル大会の優勝を目指す上で指導力の乏しさを理由とした。後任監督は未定で、狩野倫久コーチ(49)が監督代行を務める。

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会見前、ただならぬ雰囲気が漂っていた。壇上のプレートは佐々木氏と並び「宮本恒靖会長」。2日前はロンドンで日本代表がイングランド代表から金星を挙げるところを見届けていた。それから34時間後の弾丸移動。当初の予定は4月の米国遠征メンバー発表だった。しかもニールセン監督の名前はなく宮本会長なのだから、何があったのか? メディアはざわついた。

現れた宮本会長は淡々と「アジア杯までの契約が満了したということで、このタイミングで契約を延長しないことをこの間(3月29日)の臨時理事会で決議しました」。後任監督については「もろもろと手続きが必要になってくるのでお伝えできません」と述べた。

そして“解任”の理由は佐々木氏が回答した。温厚な人柄もあってか「指導がぬるいというか甘いというか。突き詰めたトレーニング、選手たちへのアプローチが弱い」と指導力に烙印(らくいん)を押した。また、選手側からも「ちょっとW杯優勝を目指すにあたり不安だなという声もありました」と明かした。

ニールセン監督は就任からまだ1年少々。25年2月に初采配でシービリーブス杯に優勝し、3月のアジア杯で2大会ぶり3度目の優勝をもたらした。凱旋(がいせん)会見では来年6月開幕のW杯に向けて「日本は正しい道を進んでいる」と意欲的だった。それだけに寝耳に水だっただろう。それでもデンマークまで赴いた佐々木氏から直接、契約満了を伝えられると納得した様子だったという。

次期監督の選考基準はどうなるのか? 佐々木氏は「我々は11人が連携、連動した細かいディテールで世界と戦わなければいけない。そのへんを熟知した指導者にやっていただく」とし、「日本人がいいのではないか」と方向性を示した。【佐藤隆志】

 

◆なでしこ今後の活動 この日に4月11、14、17日に米国で行われる米国代表との3連戦のメンバーが発表され、アジア杯の主力たちが選出された。6月6日には大阪で南アフリカ代表と強化試合を行い、9月には国内組でアジア大会(名古屋)に臨む。相手は未定だが11月29日には広島で、12月5日には岡山で強化試合を実施する。