身長179センチで昨季のJ1最小GKの菅野孝憲(24=柏)が日本代表に初選出された。21日、日本サッカー協会はアジア杯予選バーレーン戦(28日)の代表メンバー25人を発表。唯一の新顔となる菅野は今月初旬に代表初招集を知らされており、8日から10日間のグアム自主トレで万全の体調に仕上げた。22日からの代表合宿で、反応の速さと守備範囲の広さ、正確なキックをアピールし、一気にレギュラーの座へ駆け上がる。

 菅野が日本代表の新守護神に名乗りを上げる。19日から柏で本格始動。この日は練習を休んで、千葉県内の病院でメディカルチェックを受けた。今月初旬に柏に代表スタッフから「バーレーン戦に呼びたい」と岡田監督の意向が伝えられていた。この日、正式発表され「選ばれただけで満足しない。試合に出ないと意味がない」と意気込んだ。

 岡田監督からは「シュートへの反応の速さ、フィールドプレーヤー並みのキックの正確さがある」と評価された。

 身長はJ1のGK最小の179センチで登録されているが、実際は175センチ程度とさらに低い。「身長は17?センチと言っておきます。小さい人がどんどんハイボールが捕れば面白いし、身長を悔やんだことはない。落下地点に最短距離で入れば、競り負けない」(菅野)。02年からクロスを毎日左右100本以上繰り返して空中戦を磨いた。

 日本代表は97年から川口と楢崎の2人がゴールを守ってきた。岡田ジャパンで都築、川島らが試されたが、2人を脅かすには至っていない。川島が先発したイエメン戦はFKから失点した。セットプレーの対応、カウンターの対処は長年のテーマ。新顔の菅野は第4GKの位置づけだが、クロスへの反応に加え、広い守備範囲が持ち味だけに、守備ラインを高く保ち、相手のロングボールもペナルティーエリアを飛び出して処理できる。キックも左右両足で計4種類を蹴り分けるため、早い攻守の切り替えをモットーとする岡田監督の戦術にもマッチする。

 8日から10日間、グアムで横浜FCのFWカズと一緒に1日3部練習の自主トレを積んだ。体はすでに出来上がっており、代表合宿初日から積極的に勝負できる。97年の川口のように、菅野がベテランの牙城を一気に崩し、正GKの座を仕留める。【盧載鎭】