中東から戻ったU-22(22歳以下)日本代表が、再びアウェーで腕試しする。同代表が6月に同韓国代表と強化試合を計画していることが14日、分かった。現在、両国間で交渉中で、6月1日のキリン杯チェコ戦(予定)の裏カードとして韓国で実施される可能性が高い。ロンドン五輪アジア2次予選(6月19、23日)直前の最後の実戦で、両国ともベストメンバーをそろえる予定。アウェーのガチンコ勝負に勝って、5大会連続五輪出場へ、最大の自信を付ける。

 五輪予選直前の最後の相手として選んだチームは、ライバル韓国だった。関塚ジャパンが6月、韓国に乗り込み、同国U-22代表と最後の強化試合を行う。関塚隆監督(50)が、強国とのアウェー戦を強く希望し、日本協会が現在韓国協会と交渉中。日本協会関係者が明かしたもので、早ければ今月中に正式決定する見込みだ。

 関塚監督は中東遠征後「アウェーのピッチと環境で、いろんな選手を試せたことは大きい」と、収穫を口にした。6月に始まるロンドン五輪アジア2次予選までには2試合が予定されている。3月29日にはホーム(国立)で、A代表のニュージーランド戦の前座試合として予定しており、6月の韓国戦は予選前の唯一のアウェー戦となる。

 日本は昨年末、控えメンバー中心で臨んだアジア大会(中国)で初優勝を果たした。韓国はその大会で、フランスリーグ・モナコFW朴柱永らオーバーエージを加えたベストメンバーで出場したが3位に終わった。日本は優勝したものの韓国との対戦はなく、大会直後から韓国戦実現へ動いてきた。当初はホームでの試合を計画したが、韓国の強い要望もあり、願ってもないアウェー戦が実現する。

 W杯予選はアジアに4・5枚の出場権が与えられるが、五輪は3・5枚。2次予選はホームアンドアウェーの一発勝負で、勝ち進むと4チームずつ3組に分けた最終予選が行われる。各組1位が突破、2位3チームはプレーオフを行い、そのトップがアフリカ勢との大陸間プレーオフが予定される。日韓両国は、2次予選はシードされており対戦しないが、最終予選で同組に入る可能性はある。

 韓国戦にこだわるのは、腕試しとともに最終予選に向けた情報収集の意味もある。日本は世界トップレベルの情報分析能力を誇り、直接対決で得るものは計り知れない。7月初旬にも中国で日本、中国、韓国、北朝鮮のU-22代表4カ国大会が開かれるが、韓国は国内リーグのシーズン中でベストメンバーがそろわず、ベストで臨むのは6月の日本戦のみ。アジア最高の舞台は用意された。あとは、最強布陣で臨む日本が、強敵をたたいて自信を付けるだけだ。