関塚ジャパンがスカウティング活動を本格化させる。12年ロンドン五輪を目指すU-22(22歳以下)日本代表の関塚隆監督(50)が、五輪アジア1次予選(2月23日、3月9日)を現地で偵察する可能性があることが17日、分かった。同日本代表は1次リーグをシードされており、2次予選から出場するが、対戦の可能性がある有力国を観戦、分析する。すでに1次予選の全11会場で、試合を映像録画する手配を終了している。予選本番を前に、いち早く情報収集に動きだす。

 指揮官自ら、敵情視察に赴く計画が浮上した。静岡県内で取材に応えた関塚監督は、1次予選を現地で観戦するかについて問われると、「昨夜、分析をどうするかについてはスタッフと話し合いました。そのことも含めて、いま考えているところです。あと1週間ないですしね」と言及。23日に迫った予選の偵察活動に、分析班だけでなく監督も加わる可能性を示唆した。自ら動くのは、過去の五輪代表監督を振り返っても極めて異例だ。

 アジア1次予選。日本はシードされて出場しないが、まずは22カ国がホームアンドアウェー(H&A)戦でぶつかる。会場は全部で11カ国。広いアジアの多岐にわたるが、関塚監督は「全部の試合を映像の手配はしました」と言明。「あとはどれだけの人数を現地に派遣するかです」と続けた。

 2次予選は、1次予選を勝ち抜いた11カ国に、シードの13カ国が加わり、24カ国でのH&A戦となる。一発勝負だけに最大限の準備は不可欠。中でも関塚監督が最も警戒するのが中東勢だ。優勝した昨年11月のアジア大会の準決勝で対戦したイラン、同じく決勝のUAEはともに強豪で、五輪予選は1次予選から出場する。2次予選でいきなり対戦する可能性がある。

 2月の中東遠征でアウェーでの経験は積んだが、敵の最新情報を集める作業は継続する。関塚監督が渡航する場合は、UAE-スリランカ、イラン-キリギスタンが有力とみられる。

 関塚監督は「予選本番に向けて、選手にはJリーグで試合に出て成長してほしい」と期待を寄せた。その間、自分がやるべきことは敵を知り尽くすこと。情報戦で積極的に動き、6月の予選開始に備える。