クラブ世界一を決める「FIFAクラブワールドカップ(クラブW杯)」は今日10日、開幕する。日本開催は3年ぶり。開催国枠で出場するJリーグ王者広島は、開幕戦でオセアニア代表のオークランド(ニュージーランド)と対戦する。元日本代表FW佐藤寿人(33)は初出場した12年に3ゴールを挙げて得点王。世界最強3トップのメッシ、ネイマール、スアレス擁するバルセロナも出場する今大会で、2度目の得点王を狙う。9日は横浜市内で最終調整した。

 夢のような舞台が整った。冒頭15分間だけ公開された広島の最終調整。12年大会得点王の佐藤は、スタジアムの雰囲気を確認した。3年前の開幕戦も同じ会場で、同じオークランドが相手だった。武者震いするような興奮を肌で感じた。

 「得点は前回大会以上に決める。チームも前回以上という気持ちはあります。FIFAの素晴らしい大会で、1つでも多くの得点を積み重ねていきたい。チームの勝利につながるゴール。それしかない」

 チャンスはある。世界屈指の点取り屋であるFWメッシを擁し、絶対的本命の欧州王者バルセロナは準決勝からの登場。決勝を含めても出番は2試合に対し、J王者の広島が決勝まで進むとすれば4試合をこなす組み合わせだ。試合数が多い方が、得点王への近道。まずはオセアニア代表オークランドから得点を奪えば、夢がかなう可能性は膨らむ。

 「息子にはネイマールのサインをもらってきてと頼まれている。そこまで行くには、乗り越えないといけない壁がたくさんありますけれど、バルサと(決勝で)やりたい。比較にならないくらいすごいだろうけれど、Jのクラブがバルサと対戦するのを見せたい」

 12年大会で、広島は世界5位に終わった。初戦でオークランドを破り、準々決勝でアフリカ代表マゼンベを倒せば4強の扉が開く。伸び盛りの快足FW浅野も「自分のレベルが世界でどれだけ通用するかを知りたい。100%の力を出し切る」と闘志満々。世界を驚かせる戦いが、始まる。【益子浩一】

 ◆クラブW杯 国際サッカー連盟(FIFA)主催のクラブチーム世界一決定戦。00年にブラジルで始まり、一時中断後、05年に日本で再スタート。今年で12回目。欧州、南米などの6大陸王者と開催国リーグ覇者の7チームがトーナメント形式で争う。16年も日本開催。