4年ぶり5度目出場の旭川実(北海道)は0-3で米子北(鳥取)に敗れ、初戦突破はならなかった。米子北の長身FW伊藤龍生(3年)に2ゴール1アシストを許すなど、前半だけで3失点。富居徹雄監督(44)は「完敗」と唇をかんだ。

 あっという間だった。前半4分に右サイドを崩されて先制されると、4分後には右CKからのボールをゴール前でヘッドでつながれ、追加点を許した。「縦に速いだけじゃなくて個々の強さもあって、惑わされた」とFW関。3失点で折り返した後半は立て直したものの、鳥取県予選無失点、高校生最高峰のプレミアリーグ昇格を果たした米子北守備陣にゴールを阻まれ、試合終了のホイッスルが鳴った。

 5年前、総体、プリンスリーグ、選手権の道内3冠を手にした。翌年はプレミアリーグで戦ったが、1勝もできずにプリンスリーグに陥落した。プレミアチームとの戦力差が大きく、守備的になるあまり攻撃を犠牲にした。「1度すべてをぶっこわして、ここまで戻した」と富居監督。全国でもう1度勝つために3年かけて1からチームを作り上げたが、及ばなかった。

 12月9日の練習中に主将のMF伊藤が左足を骨折。全治3カ月と診断され、今大会に出場できなかったことも響いた。松葉づえを抱えた痛々しい姿で声援を送ったが、勝利には届かなかった。伊藤は「一生懸命みんな最後までやってくれてうれしかった」とチームの健闘をたたえたが、「1つでも多く勝って、(伊藤を)上に連れて行ってあげたかった」と関。この敗戦を雪辱する戦いが、今日から始まる。【山崎賢人】