大会2連覇を狙う東福岡が好スタートを切った。J内定3人組の1人、鹿島に進むDF小田逸稀(いつき、3年)の左サイドの好クロスから虎の子の1点が誕生。相手に1本のシュートも打たせない圧倒的な強さを見せつけた。今日3日、鹿児島城西と激突する。

 身体能力の高さを見せつけた。後半16分、東福岡の左サイドバック、DF小田が、左サイドを突破すると、サイドラインギリギリの浮いた球をジャンプしながら左足でゴール前へクロス。飛び込んできたFW藤井のヘディングシュートを演出した。なかなか先制点が取れない重苦しい時間帯が続くなか、Jリーグ内定選手らしい「美技」のアシストでチームを救った。

 小田 相手がしっかり守ってきたし自分も攻撃に参加していこうと思っていた。クロスは浮き球だったけど、しっかりミートするだけだった。ピッチも天然芝だったし、問題なかったです。

 東福岡のOBで「アモーレ」の流行語を生んだ日本代表DF長友佑都(30)に憧れている。既に長友の著書は2冊読み、体幹トレーニングも実施している。「体の強さ、スタミナがすごい。東福岡の大先輩だし、自分も左サイドバックなんで目標です。チューブトレーニングもしてます」。心酔するOBに1歩でも近づこうと練習してきた結果、難しい態勢からでもクロスを上げられるようになった。「フィジカルでは誰にも負けない自信はある」と豪語する。

 昨夏インターハイではまさかの初戦敗退。森重監督も「正直、まずは勝ててホッとしている。ハーフタイムに後半はアグレッシブにいこうと言って送り出したが小田がそういうプレーをしてくれた」と感謝した。小田のほか、G大阪内定のMF高江、磐田内定のMF藤川らの「タレント軍団」が、相手に1本のシュートも打たせずに快勝。連覇へ向けて初戦という「第1関門」を突破した。【浦田由紀夫】

 ◆小田逸稀(おだ・いつき)1998年(平10)7月16日、佐賀県唐津市出身。5歳の時、昭和幼稚園サッカー部でサッカーを始める。小学では唐津FC、中学ではサガン鳥栖U-15唐津でプレー。中2まではFWだったが中3からサイドバックに転向。173センチ、68キロ。