鹿児島城西DF生駒仁(2年)は、2度目の選手権が終わり、悔し涙を浮かべた。「失点0にしようと話していたけれど、相手の方が力が上。自分の力もまだまだ…(足りないのは)全てです」。

 Jリーグ内定者3選手を擁する東福岡に、開始2分で先制を許した。自分の前の選手に対応していた際、右からクロスが上がった。ゴール前にはDFが2人いて数的有利だったが、FW藤井一輝(3年)に頭で押し込まれた。3試合目で喫した初失点を振り返り、「コミュニケーションの面が不足していた。話をしていれば、何の問題もなかった」と唇をかんだ。

 この日、スタンドには、生駒を視察に訪れた、複数のJクラブの強化担当者がプレーに目を光らせていた。それでも「自分の夢でも目標でもあるプロという舞台に立てるように、自分のレベルはまだまだなので、もっと上げていきたい」と謙虚に話した。

 磐田入りが内定したMF藤川虎太朗(3年)、G大阪入りが内定したMF高江麗央(3年)、鹿島入りが内定したDF小田逸稀(3年)の東福岡3選手は、それぞれストロングポイントを持っていると肌で感じたという。「3人それぞれに特徴があった。特に、高江選手は左に行った時に(中に)カットインできるし、縦にパスも出せる。予測が出来ず、違いを感じた。自分も特徴を、もっと生かしていかないと通用しないと思った」と反省の言葉ばかりが口を突いて出た。

 自分の特徴とは何か、と聞くと「ゴール前に体を張って守備したり、ヘディングは通用した。ヘディングは得意なので、そこをもっと伸ばして絶対に負けたくない」と言い切った。

 1年で初出場した昨年は、1回戦で札幌大谷(北海道)に1-1からのPK戦で敗れており、目標の初戦突破は果たした。最上級生として迎える来年に向けて、腹は決まっている。「1、2年から選手権に出ている。自分がダメになったらチームがダメになると、もっと自覚を持ってやりたい。自分が(全体の守備を見てコントロールすることを)やらないといけないと、2年になって自覚が出てきたが、上で勝つためには、まだまだ足りない。克服して、全国に出られるように一から頑張りたい。負けたら意味がない。最後の1校になるため、来年も頑張る」とリベンジを誓った。【村上幸将】