98年度以来、2度目の連覇を狙う東福岡が、快勝で8強入りした。堅い守りが武器の鹿児島城西に対して、開始わずか2分に、FW藤井一輝(3年)のヘディングシュートが決まって流れを引き寄せた。サッカー部が誇る「秀才FW」の2戦連発だった。

 東福岡にはサッカー特待推薦枠で入学したが、大学進学を目指す80人あまりの特進コースに所属。学業でもエリートだ。「1年生の最初のテストを含めて何回かコースで1位を取ったことがあります」。3年になって「サッカーに重きを置いて1ケタ台まで落ちた」が、既に学校の指定校推薦枠で同大進学も決定。勉強は「卒業」してもいいが「学業のレベルを落としたくないから」と今月14日からのセンター試験は受ける予定だという。

 優勝した前回大会は「2回戦まではビデオを撮る役目だった。悔しい思いしかない」と今大会に臨んでいる。「自分には技術がない分、体の使い方など研究してきた」と、この日の得点も「相手DFがボールを見ていたので背後に回った。見えるところから見えないところに動いた」としてやったりの表情だった。東福岡サッカー部FWと学校トップクラスの学業という「二刀流」を実践する点取り屋が、連覇への道を引っ張る。【浦田由紀夫】