遠野(岩手)は前橋育英(群馬)に0-1で惜敗した。

 遠野が後半の決定機を生かせず、07年度以来9大会ぶりの8強入りを逃した。長谷川仁監督(51)は「後半20分から勝負になればと。ちょっと1点が遠かった」と肩を落とした。前半2分に先制を許し、最後までゴールを割れなかった。

 シュートを1本も打てなかった前半から、後半は一変した。大会3試合目の前橋育英の選手の足が止まり、DFの裏を狙う作戦がはまった。6分と30分にFW阿部亮太(2年)がGKと1対1になってシュートを外した。「少し落ち着いていれば」と阿部は反省。10分には、FW佐々木琢光(3年)がゴール前でのチャンスを逃した。

 初戦の2回戦で岩手県勢9大会ぶりの勝利を手にした。大きな目標は達成した。だが上位進出への課題が明確になった。少ないチャンスを生かす決定力や、シュートの精度。主将のMF千田夏寅(かい、3年)は「勝負どころで決め切れる、決め切れないかが出た」と受け止めた。

 長谷川監督は「こういう場でやることは大変なことだと、感じてほしい」と、下級生に来年度出場への奮起を促した。エース候補になる阿部は「1点の重みは大きかった」と言った。この敗戦を無駄にはできない。【久野朗】