サッカーの全国高校選手権は7日、埼玉スタジアムで準決勝2試合が行われる。いずれも伝統校と初めて4強入りしたチームが対戦。20大会連続出場の高円宮杯U-18チャンピオンシップ王者の青森山田と東海大仰星(大阪)、2大会前に準優勝した前橋育英(群馬)と佐野日大(栃木)がぶつかる。各校は6日、都内や埼玉県内で最終調整した。

 青森山田は一分の隙も与えない。対戦相手の東海大仰星は準々決勝をCKからのシュート1本で勝利。U-19日本代表にも選出されたGK広末陸(3年)は「セットプレーからの失点は去年のプレミアリーグを通じて2失点しかしていない」と鉄壁の守備で封じ込めると意気込んだ。

 2つの優位性を生かす。1つめは地の利。埼玉スタジアムへと舞台を移すが、前回大会の準決勝、昨年12月の高円宮杯U-18チャンピオンシップと同所で2試合戦った。「これで3試合目。相手は大舞台に慣れていない」と大会場の空気は体験済み。歓声でコーチングがかき消されたりする問題にも対処できる。

 2つめは時間だ。試合時間が10分延び、準決勝から90分制となる。昨年、年間を通じて戦ってきたプレミアリーグでは前後半各45分だったため「体力の面では負けない」と最後まで集中力は切れないと言い切る。

 5日の準々決勝で今大会初失点。「無失点優勝を狙っていたので悔しい。準決勝からは無失点でいきたい」と気の緩みもない。「相手が雰囲気にのまれている間に1点、2点と取りたい」とワンチャンスも与えない完勝を目指す。【島根純】