サッカーの全国高校選手権は7日、埼玉スタジアムで準決勝2試合が行われる。いずれも伝統校と初めて4強入りしたチームが対戦。20大会連続出場の高円宮杯U-18チャンピオンシップ王者の青森山田と東海大仰星(大阪)、2大会前に準優勝した前橋育英(群馬)と佐野日大(栃木)がぶつかる。各校は6日、都内や埼玉県内で最終調整した。

 大阪勢43大会ぶりの決勝を目指す東海大仰星は、高校年代最強と言われる青森山田対策を万全にした。前日5日には連覇を目指した東福岡を倒したばかりだが、埼玉県内での練習で約3時間も汗を流した。疲労は残っているが、短期決戦を乗り切るため、軽めの調整を挟まないことで体の緊張状態を維持。あえて長時間の練習を続けている。

 キーマン対策も抜かりない。中務(なかつか)監督は、攻撃の起点でもあるU-19日本代表GK広末の「キックがいい」と着目した。ゴールキックの時にボールを転がす場所や、パントキックのタイミングなどを細かく分析済み。「スムーズに蹴らせないように」と指示を出した。ゴールに直結するロングスローについては「あのボールを投げられる人がいない」と監督自らがボールを蹴って軌道を再現。DF面矢(おもや)は「イメージがつかめた」と手応えを感じていた。

 練習後も準備は続いた。会場の埼玉スタジアムに行ったことのある選手が少ないため、全員で移動した。中には入れなかったものの、外周を歩いて大きさや雰囲気を確認した。戦術も心構えも準備万全。無名軍団が再び下克上を達成する。【小杉舞】