先にリズムをつかんだのは前橋育英。守りが身上の佐野日大を相手に積極的に左右へボールを回し、FW人見大地(3年)の中央突破などで相手陣深くに攻め込んだ。前半6分、7分と左右のコーナーキックからゴールに迫るチャンスを作ったが、得点には至らなかった。

 同16分にはFW岩下航(3年)がペナルティーエリア付近右角で倒されていい位置でFKを得るも、MF高沢颯(3年)のシュートは枠外だった。つづく26分には高沢がペナルティーエリア内左に切り込み絶好の位置から右足でシュートも、わずかに右へそれた。

 守っては29分、GK月田啓(3年)がビッグセーブで沸かせた。ペナルティーエリア内中央でパスを受けたFW長崎達也の右上へのシュート横っ跳びではじいた。

 先制は31分。センターサークル付近からのロングパスを受けた10がペナルティーエリア内で落とし、走り込んだ高沢が右足ダイレクトでゴール右へたたきこんだ。前橋育英が1点をリードし、前半を終えた。

 後半も、両チームの真っ向勝負が続いた。後半7分、前橋育英MF岩下航(3年)が、右サイドを鋭く突破し、シュートを放った。同14分、今度は佐野日大の長崎がドリブルで仕掛けてシュートと攻め合った。その中、パス回しとボール支配で上回る前橋育英が試合を制した。

 前橋育英の山田耕介監督は「我々は力がないチーム。チャレンジャーとして頑張っていきたい」と語った。高沢は「(準優勝だった)一昨年は応援という立場。次は自分たちの番。優勝したい。(決勝ゴールは)取れてうれしい」と決勝へ向けて意気込んだ。