青森山田が前橋育英(群馬)を5-0で破り、22度目の出場で青森県勢初優勝を果たした。

 17大会ぶり無失点優勝を狙った前橋育英だったが、最終ラインの“2年生カルテット”が崩れ、5失点した。前半23分の失点から立て直すことができず、左サイドバックの渡辺は「この屈辱は一生忘れない。悔しすぎて涙も出なかった」と唇をかみしめた。

 昨夏は総体県予選でまさかの初戦敗退。山田耕介監督(57)は主力を固定せず、紅白戦で調子のいい選手を抜てきし競争意識を高めた。そこでチャンスをつかんだのが松田陸、渡辺、角田、後藤田の2年生。「史上最弱世代の逆襲」を掲げた今大会は準決勝まで無失点と大健闘したが、最後に落とし穴が待っていた。DF松田陸は「相手は天然芝の戦いにも慣れていた。スピードが全然違っていた」と脱帽した。渡辺は「高校総体初戦負けより悔しい。次は5失点から逆襲する」。大きな宿題をくれた埼玉スタジアムに、再び戻ることを誓った。