浦和レッズが終了間際にFWラファエル・シルバ(24)のPKで追いつき、アウェーで勝ち点1を得た。

 この日はいつもの1トップから珍しく陣形を変え、ラファエル・シルバとFW興梠慎三(30)の2トップにMF柏木陽介(29)がトップ下に入る形をとった。広島時代からペトロビッチ監督を知るDF槙野智章(29)は「長く一緒に仕事をしてきたけど、今日に限って相手の良さを消すための策をやった」と選手としても意外だったことを示唆しつつ、「珍しいけどはまった」と前向きに振り返った。

 試合を通してチャンスらしいチャンスは作らせなかったが、1度与えた好機をガンバ大阪は見逃してはくれなかった。後半12分、左サイドにできたスペースを突かれ、クロスをMF今野泰幸に頭で合わせられて先制を許した。前半から興梠、槙野らのシュートが次々とポストに弾かれる中で一発を食らい、スタジアムはG大阪の勝利ムードに変わった。

 後半もシュートが2度ポストをたたき、MF阿部勇樹主将(35)がGKとの1対1を外す場面も。もどかしい時間を過ごしたが、諦めない姿勢が得点を生んだ。後半ロスタイム、手を緩めない攻撃からMF宇賀神友弥(28)が放ったシュートがG大阪MF倉田秋の手に当たってPKを得た。ラファエル・シルバが落ち着いて右隅に蹴りこみ、土壇場で同点に持ち込んだ。槙野は「全員の闘志がPKにつながった」と振り返った。シュートはG大阪の4本に対し16本。内容だけを見れば勝利がほしい試合だったが、嫌な流れを断ち切っての価値ある引き分けといえよう。