湘南ベルマーレの18歳MF斉藤未月が、V・ファーレン長崎戦で初めてキャプテンマークを巻き、フル出場した。

 斉藤はアカデミー出身の生え抜きで、湘南ユース時代の15年にトップチームに2種登録され、16年5月にプロ契約を結んだ。縦に速い、攻撃的な“湘南スタイル”を体現する、積極的な仕掛けとドリブルが魅力。この日は、MF菊地俊介主将(25)が出場停止で、キャプテンマークが巡ってきた。

 曹貴裁監督(48)は試合後の会見で、前日2日の段階で斉藤にキャプテンマークを託すことを決めたと明かした。そして同じように18歳でキャプテンマークを巻き、日本代表に入るまでに成長した、現J1浦和レッズDF遠藤航のDNAを継ぐ存在だと期待感を口にした。

 曹監督 (キャプテンは)昨日の時点で未月にしようと思った。遠藤も12年に主将がいない時にキャプテンマークを着けた。あの時は18歳ということは、そんなに世間にも出ていなくて、遠藤自身もも世の中に出ていなかった。五輪に選ばれるかどうかという中で、航(遠藤)はノープレッシャーでやっていた。でも未月は、かなりプレッシャーがかかったと思う。あいつは、自分の中でプレーがうまくいかなくて、ボールを奪われた75分くらいに1回、心が折れそうになった。でも、あのキャプテンマークが、彼を最後まで走らせたと思いますし、航が当時あの年で頑張って代表に入って活動していることが、湘南のDNAとして受け継がれていっていると思う。今日の経験が、あいつだけじゃなく、育ててくれたアカデミーのスタッフ、仲間。先輩、後輩に希望を与えたと思う。日本を代表するような選手…真っ青な選手、何とかブルーの中心になってもらいたい。

 斉藤は「プレッシャーは全然なかった。責任感を持ってプレーしようと思っていました。航さんのことは特別、意識しているわけじゃないけれど、A代表にも選ばれたりしている。目指すより超えたい。初めてのキャプテンマーク…いい経験は出来たけれど、それで終わらせないようにつなげたい。自分がいると、分かってもらえるようなベルマーレにしたい」と冷静に語った。【村上幸将】