J1は今季リーグ前半戦17試合を終え、8日から後半戦に突入する。1年でJ1復帰を果たした清水エスパルスは13位と苦しんでいる。後半戦への課題は若手の奮起と、勝ちきる力と言える。担当記者が前半戦を振り返り、後半戦に向けてのポイントを挙げた。

 今季2年ぶりにJ1に復帰した清水は、厳しい戦いが続いている。シーズン当初に掲げた目標は「1ケタ順位」だったが、前半戦に挙げたのは4勝のみで13位に沈む。一方で引き分けが6試合と、甲府の7試合に次いでリーグ2位の多さ。後半戦に向けて“勝ち切る”ことが重要になる。

 攻撃面は、主将のFW鄭大世(33)と3月からチームに加入したFWチアゴ・アウベス(24)の2トップがチームをけん引している。チーム内の得点ランキング、アシストランキングともに2人が1、2位を占めている。鄭の空中戦の強さ、チアゴの決定力の高さが前線で起点となり、得点源となっている。「J1でも屈指の2トップ」と対戦相手から警戒される連係もある。

 半面、2人をおびやかす選手が出ていないのが現状だ。シーズン当初、小林伸二監督(56)は「若手の伸びを促したい」と話していたが、リーグ戦の主力に名を連ねているのは、左サイドバックで全試合先発しているDF松原后(20)のみ。FW陣の金子翔太(22)は2得点、北川航也(20)は無得点にとどまっている。若手の奮起を促す意味でも、鄭とチアゴを欠いて臨むリーグ戦次節ホームG大阪戦(8日)は、後半戦に向けての試金石になると言える。今季の目標「1ケタ順位」の前に、最低限達成しなければならないのはJ1残留。負け試合を引き分けに、引き分けを勝ち試合に持ち込むために、若手のパワーが必要になる。【保坂恭子】