浦和レッズは30日、ミハイロ・ペトロビッチ監督(59)との契約解除を発表した。就任6年目となる今季はリーグ戦で9勝2分け9敗の8位と不振が続いており、29日の北海道コンサドーレ札幌戦に0-2で敗れたことでクラブが決断。事実上の解任となった。杉浦大輔コーチも合わせて契約解除となり、後任には堀孝史コーチ(49)が就任した。初陣となる8月5日の大宮アルディージャとのさいたまダービー(埼玉)から巻き返しを図る。

 浦和が苦渋の決断を下した。29日の札幌戦での完敗を受け、淵田社長らクラブ幹部が深夜までさいたま市内で議論。30日朝、クラブハウスでペトロビッチ監督に解任を伝えた。練習前に急きょミーティングを開き、指揮官は選手に「下向かずにがんばろう」とあいさつ。クラブを通じ「ここ2、3カ月は結果を出せておらず、監督として責任を取ることは当然だと考えています」とコメントした。

 4月30日の大宮とのさいたまダービーに敗れてから歯車が狂った。そこから12戦8敗と振るわなかった。1-4で大敗した5日の川崎フロンターレ戦後には指揮官がサポーターに「次から連勝できなければ私が最初にチームを去る」と自ら進退をかけた発言をするなど、追い込まれていた。昨季は年間最少28失点の堅守を誇ったが、今季はリーグワースト2位タイの36失点。最後まで守備のほころびを修正できなかった。淵田社長は「現状を打開するには新しいチャレンジが必要という結論に至った」と説明した。

 ミーティングで解任を知った選手は目を赤くして練習場に現れるなど、ショックを隠せなかった。DF槙野は放心状態で「本来責任をとらないといけないのは選手だと思うし、中でもやっぱり…」と涙を浮かべながら話した。

 後任は堀コーチが昇格する形で務める。選手には「本当の意味での競争をして、戦う準備をして試合に向かおう」と話した。くしくも、新体制での初戦は不振のきっかけとなった大宮戦。浦和に大きな試練が訪れている。【岡崎悠利】

 ◆ミハイロ・ペトロビッチ 1957年10月18日、セルビア生まれ、国籍はオーストリア。現役時代はユーゴスラビア代表などで活躍し、93年に引退、オーストリアのSVペラウで監督業をスタート。06年から広島、12年から浦和の監督に就任。昨季はリーグ年間勝ち点1位、またルヴァン杯を制して浦和で初のタイトルを獲得。