湘南ベルマーレの曹貴裁監督(48)は、シュート2本中、1本を決めて勝ったジェフユナイテッド千葉戦後の会見で「うちが悪かったより、ジェフさんが素直に良かった。脱帽という気持ち。ただ勝負というのは分からないんだなと思います」と振り返った。

 縦に速く、相手に走力、球際のプレスで上回る湘南が、この日の千葉には完全に上を行かれた。開始4分に千葉FW船山貴之(30)にフリーで打たれたシュート以降、前半から押され続けた。曹監督自ら「おそらくシュート1本(実際は2本)で勝ち点3を取った、非常に確率の少ない勝ち方」、「見ている人、評論される人はジェフの選手に高い点をつけてジェフが勝つべき試合と総評するでしょう」と口にする、大苦戦だった。

 その上で「僕(の考え)は違っていて、いいところが出なかったことも含めて正解なんだと。どんなにボールを持っても(得点が)入らなければ勝ち点3は入らない。ピッチに慣れるのに時間がかかったのを含め、選手はよく対応した。目指す勝ち方ではないですけど負けを勝ち点1、3に持っていくことについて、彼らなりに正解を出したと思っている。非常に次につながる大きな勝ち点3」と選手の対応力を評価した。

 質疑応答の中で「ここまで主導権を握られて勝ったのは、なかなかないこと。どう思う」と質問が出た。曹監督は「ジェフさんのパフォーマンスが、間違いなくシーズンで1番高かったと思います。首位のチームに対して競り合い、球際、切り替え、ボールを動かすこと、全て上回ってやろうという気できた。J1の試合のようなクオリティーで、我々も勉強になった。皮肉じゃなくて、ジェフさんに勝ち点3が行くべき試合。ジェフの選手がいつもより戦術的、メンタル、技術なことが上がったなという印象」とたたえた。【村上幸将】