ジュビロ磐田は、アウェーでFC東京に0-0で引き分けた。今季3度目の連勝は逃したが、敵地で勝ち点1を獲得。名波浩監督(44)は6試合ぶりに無失点の守備陣をたたえた。「センターバック、サイドバック、ボランチ(の距離)が間延びせず、非常に我慢強くコンパクトにできていた」。

 4月8日横浜戦以来22試合ぶりに採用した4バックが機能した。選手間の距離を短く保ち、元日本代表FW大久保嘉人(35)らを擁する東京攻撃陣に組織で対応。シュートを6本に抑えた。DF高橋祥平(25)は「良い距離感で守ることができた」。DF桜内渚(28)も「距離感を意識して『0』に抑えられたことは良かった」と振り返った。

 一方で攻撃には課題を残した。MF山田大記(28)が、トップ下で磐田復帰後初先発もシュートは0本。チームとしても6本と躍動感を欠いた。決定機も、FW川又堅碁(27)のシュートがクロスバー直撃した前半41分の1度だけ。MF中村俊輔(39)は「パスを回す距離は近くなったけど、以前まであったダイナミックさが消えてしまった」と分析した。

 2週間後の10月14日に行われる次節、清水との「静岡ダービー」はプライドを懸けた戦い。上位争いに踏みとどまるためにも、課題を修正して勝ち点3を奪いにいく。【前田和哉】