全国高校サッカー選手権(12月30日開幕)の千葉大会は昨年代表の市船橋を破った流通経大柏が3年ぶり5度目の出場を決めた。

 5年連続で同じ顔合わせとなった全国屈指の好カードに、会場には約1万人の観衆が集まった。試合が動いたのは前半12分、今年の全国高校総体を制した流通経大柏が先制に成功する。MF鬼京大翔(3年)が左サイドからあげたクロスボールを市船橋GK長谷川凌(3年)がはじき、そのボールに素早く反応したMF菊地泰智(3年)が右足で詰めてゴールネットを揺らした。

 そのまま前半を折り返すと、時間の経過とともに焦りをみせる市船橋はゴール前へロングボールを多く蹴り込み、なんとかチャンスを得ようとするが、U-17日本代表DF関川郁万(2年)らが立ちはだかり、失点を許さない。

 逆に後半38分に流通経大柏に追加点を奪われて万事休すかと思われたが、直後の39分に、市船橋FW郡司篤也(2年)のロングスローをニアサイドでDF岸本駿朔(2年)がそらし、ファーサイドで待っていたDF余合壮太(2年)が決めて市船橋が1点差に追い上げる。

 しかし、反撃はここまで。逃げ切った流通経大柏が全国への切符をつかみとった。試合終了の笛とともにガッツポーズをみせた流通経大柏の本田裕一郎監督は「インターハイをとっていましたし、どうしても勝ちたかった。その思いの強い方が勝ったのだと思います」と振り返った。3年ぶりの選手権の舞台へ向けては「全国はみんな同じ。初戦が大事だと思っているので、そこをしっかりやっていきたい」と気を引き締めていた。

 最後まで相手のロングボールをはね返し続けた流通経大柏のDF関川は「ホッとしました」と笑顔をみせ「選手権に出ることが夢だったので、自分は来年もあるけど、最後のチャンスだと思って頑張りました」と話した。

 一方、敗れた市船橋の朝岡隆蔵監督は「キーパーからつないでいくことを意識させてきたが、焦ってロングボールを蹴り込むようになってしまった。失点が早かった。試合中に修正できればよかったけど、なかなか難しかった」と唇をかんだ。Jリーグ内定者を3人擁しており、J2千葉への入団が内定しているDF杉山弾斗主将(3年)は「選手権の舞台は結果が全て。内容どうこうではなく、本当に悔しい結果になった。もっとボールを要求して、局面を打開するプレーができたかなと思います」と涙をぬぐった。

 この日は新たに千葉、群馬、福岡の代表校が決まった。群馬は昨年大会で全国準優勝の前橋育英が4年連続21度目、福岡は筑陽学園を下した東福岡が5年連続19度目の全国出場となった。