大会MVPに輝いた、浦和レッズMF柏木陽介(29)は、試合後の記者会見で「MVPを取れたことは、非常にうれしく思っています。ただ、個人的には僕じゃなかったかなという気持ちの方が強いので、少し複雑な気持ちもありますが」と受賞の率直な思いを語った。その上で「皆さんに選んでいただいて、この賞をいただけたので素直にうれしく受け止めて、今後、これに恥じないようなプレーをしていけたらと思います」と受賞を励みにしての飛躍を約束した。

 質疑応答の中で、7月にミハイロ・ペトロビッチ前監督が解任され、堀孝史監督が後を継いだことを踏まえ「監督が交代し、チームが転換したことが大きかった、チームはどのように変わったのか?」と質問が出た。柏木は「堀さんとミシャ(ペトロビッチ前監督)で全然、サッカーがまた違ってきて。最初は堀さんもミシャのサッカーをやりながらというのがあったんですけど、そこから堀さんのサッカーを貫いてやってきた結果、ここまで来られたと思っているので」と堀監督のサッカーの勝利であると断言。「(両監督のサッカーの)違いと言ったら、口では説明しづらい部分はあるんですけど、やっぱりチームとしての意思統一が本当にうまくいったからこその結果。堀さん含め選手みんなが1つになって戦った結果かなと思います」と堀監督のチームを掌握する力を重ねて強調した。

 大会の総括について聞かれると「本当に、いいチームとばかり試合してきたなと思っています。アウェーではなかなか結果を出せずに、ホームで結果を出すのが、ずっと続いてきた。全て、自分たちが思っているような感じで進めて来られたのは、チーム力が勝った。埼玉スタジアムがもたらしてくれたものだと思っているので」とホームの圧倒的な強さが優勝の大きな要因だったと断言。「自分たちの戦い含めて、サポーター、浦和レッズ全体としてのすばらしい力だと思っています」と言い、トロフィーを手に会見場を後にした。【村上幸将】