天皇杯王者セレッソ大阪が、昨季のJ1覇者川崎フロンターレに3-2で競り勝って初優勝を飾った。川崎Fは途中出場のFW大久保嘉人(35)が復帰初ゴールも及ばなかった。

 1年で東京から川崎Fに復帰したFW大久保が、途中出場で一発回答を決めた。1-3で迎えた後半ロスタイム。MF長谷川の左からの横パスに、相手DFの背後から抜けだし右足で合わせた。「久々にキターッという感じ。こういう瞬間を求めていた」。相手のエース杉本を「あの入り方はうまい。自分も見習いたい」と脱帽させた。復帰初戦での初得点も「個人的には当然。そうじゃないと帰ってきていない」と秘めた自信を明かした。

 チームは終盤の猛攻も実らず、今季初のタイトル獲得はならなかった。球際の厳しさ、攻守の切り替えなどで課題を露呈させたが、大久保は「ACLの前に見つかって良かった」とポジティブに捉えている。13日には中2日で上海上港(中国)戦。「昨季優勝して少しふわっとなってたかもしれない。これで目が覚めたと思う。ここからがスタート。この敗戦が良かったと言えれば」。帰ってきたエースは残りの4タイトルへまい進する。