川崎フロンターレの鬼木達監督(43)は、J2王者として2年ぶりにJ1に復帰した湘南ベルマーレ相手にホームで引き分け「やはり勝ち点3を取りたかったですけれども、昨年もそうですけど、この勝ち点1を無駄にせず次に進みたい」と、失望をにじませた。

 前半から湘南を圧倒し、後半11分に17年のJ1得点王FW小林悠(30)が頭で18年のJ1初ゴールを決めたが後半20分に失点。鬼木監督は「立ち上がりから、自分たちらしくアグレッシブにいってくれた。その中で前半の間に1つ取れれば、また違った展開になったと思う。後半、しっかり取って流れをつかみましたが、追加点が…2点目が勝負の分かれ目になった。次は取りにいきたい」と、引き分けに終わった要因を分析した。

 質疑応答でも、最後を決めきる精度の部分に質問が相次いだ。鬼木監督は「サイドを突いていく…相手の嫌なプレーは続けられた。ゴール前に人数をかける、シュートを打ちに行くという判断を速くすれば、もっと良い試合が出来るのではないか」と語った。最後の精度は時間をかければ戻るか、それとも具体的な処置が必要か? と聞かれると「(精度が)戻るとかじゃなく積極性。スルーパス、クロスをどれだけ的確に出来るか。精度はトレーニングで積み重ねていくところ。改善というより積んでいきたい」と強調した。

 さらに、なぜ2点目が取れないかと聞かれると「確かに圧力という意味では押し込み、テンポの良いボールの動かしは出来た。後半は前半に入らないボールを逃さす入れたし、どんどん入れることが相手を押し込む。圧力というところで、もう少しやっていきたい」と語った。

 一部からは、先発したFW知念慶の質を問う「FWの飛び出しがズレる。知念が遅れるのが1番の問題。我慢して使うのか、小林を真ん中で使うのか」という質問まで出た。鬼木監督は「知念自身の評価は悪くない。(パスの)出し手が、どれだけ見てあげるか。周りのサポート…彼が流れた後に、どこに入るか。(小林)悠、(大久保)嘉人ら真ん中で出来る選手はいるので、対戦相手を見て考えたい」と知念のプレーに、指摘されるほどの問題はないことを強調した。【村上幸将】