清水エスパルスは2トップが躍動し、ホームで北海道コンサドーレ札幌を2-1で下した。1点を追う前半ロスタイムにFW北川航也(21)が同点ゴールを挙げると、後半23分にFW鄭大世(34)がヘディングで決勝点を決めた。

 序盤から主導権を握られた。清水は前半からピンチの連続。同6分、自陣左サイドを崩され、中央から札幌MFジュリーニョ(31)に右ポスト直撃のシュートを浴びた。あわや失点の場面を招くと、同24分にサイド攻撃でDFラインを崩され、先制点を献上。チームの生命線でもある前線からのハイプレスがかからず、攻撃も精彩を欠いた。

 それでも、ワンチャンスを確実に決めた。1点ビハインドで迎えた同ロスタイム、この日がプロデビュー戦となったルーキーMF西村恭史(18)のパスを受けたFW北川がゴール中央で反転。GKとの1対1の場面に持ち込むと、冷静にゴール右隅に決めて同点とした。開幕から先発出場を続けていた北川は3月31日のリーグ横浜戦(0-1)で今季初めてベンチスタート。スタメンの座を譲った悔しさを晴らす1発で試合を振り出しに戻した。

 北川の貴重な同点弾にエースも触発された。1-1で迎えた後半23分、右CKからFW鄭が反応。ニアサイドに飛び込むと、打点の高いヘディングで合わせてネットを揺らした。今季リーグ戦では全5試合で控えに甘んじている点取り屋が意地の決勝点。「見たか」と言わんばかりに、サポーター席に向かって仁王立ちした。終盤は相手の猛攻を受けるも、守備陣が体を張って死守。2トップのそろい踏みでチームは公式戦4試合ぶりの白星を挙げた。リーグ戦は中2日で磐田との「静岡ダービー」を控える。負けられない伝統の一戦に向けて弾みをつけた。【神谷亮磨】