ベガルタ仙台がアウェーでFC東京を1-0で下し、2年連続のプレーオフステージ(PS)進出を決めた。前半30分、左サイドを駆け上がったMF永戸勝也(23)のクロスが相手DFの足に当たり、オウンゴールを誘発。堅守で1点を守りきり、Aグループを1位で突破した。昨年は4強入りしており、PS(2回戦制)はDグループ2位の湘南ベルマーレと対戦。準々決勝進出を懸けて第1戦は6月2日にアウェーで、第2戦は同9日にホームで戦う。

 MF永戸が少ない好機を確実にものにした。前半30分、左サイドを駆け上がったMFジャーメイン良(23)がタッチライン際でつぶされると、こぼれ球を拾いフリーでエリア内に侵入。中央に流れたFW西村拓真(21)にグラウンダー気味のクロスを送った。このボールが慌てて足を伸ばした相手DF山田将之(23)に当たり、オウンゴールとなった。くしくも初対決となった法大時代の同期選手の足に当て、貴重な先制ゴールを生み出した。

 永戸 きつかったが、あそこでスプリントして良かった。触られなくても拓真が決めていたし、嫌なところにボールを通せた。次は自分の足でゴールを揺らせれば。

 引き分け以上でプレーオフ進出が決まる好条件の中、立ち上がりから自陣でブロックを組み、どっしりと構えた。相手にボールを握らせて、じれずに主導権を握った。放ったシュートは東京の8本を上回る10本と、じれずに堅守からショートカウンター主体に効果的にゲームを組み立てた。

 昨年はクラブ史上初めて準決勝進出を果たした。準決勝では川崎Fと対戦し、第1戦をホームで3-2と競り勝ち王手をかけたが、アウェーでの第2戦を1-3で落とし、2試合合計4-5で敗退し、力の差を見せつけられた。その屈辱を胸に、今季はカップ戦ファイナリストを目標に掲げ、シーズンをスタートした。

 公式戦では9試合ぶりとなるクリーンシート(無失点)での勝利でもあった。渡辺晋監督(44)は「昨年に比べ、自力でプレーオフ進出を決められて良かった。雑なミスも多かったが、久々のクリーンシートで終えることができたのは、喜ばしいこと」と、ベクトルを前に向けた。目標であるキャリアハイへの第1関門を突破した。【下田雄一】