横浜F・マリノスが、FW仲川輝人(25)のプロ初となる1試合2発を含む今季公式戦最多の5発で、Jリーグ初対戦となったV・ファーレン長崎に大逆転勝ちした。

 前半13分、長崎が先制した。左サイドでMF翁長聖が出したパスが横浜MF山田康太に当たり、こぼれ球をMF中村慶太(24)がダイレクトに折り返すと、ゴール正面で待ち構えたFWファンマ(27)が、右足1タッチでゴールに流し込んだ。

 前半21分、横浜が追いついた。同19分、ペナルティーエリア内に仕掛けたFW遠藤渓太(20)が、MF中原彰吾(24)に倒されてPKを獲得。そのPKを今季、柏レイソルから移籍したFW大津祐樹(28)が右足で落ち着いて決め、待望の横浜での公式戦初ゴールを挙げた。

 横浜は後半、大津に替えて、前節まで得点ランク3位7ゴールのFWウーゴ・ヴィエイラを投入するが、直後の同2分、追加点を挙げたのはアウェーの長崎だった。左サイドの翁長が前方のFW沢田崇に浮き球パスを出し、沢田がヒールパスで翁長に折り返すと、横浜守備陣が崩れた。その翁長からのパスを受けたファンマのシュートをGK飯倉大樹が弾くと、こぼれ球を中村が右足で押し込んで勝ち越し。3戦連発の中村は、ピッチに座り込み、両拳を握り締めて歓喜した。

 後半15分、横浜が再び追いついた。山田が右サイドからペナルティーエリア内に出したパスがDFに当たり、こぼれ球を仲川が右足で決めた。そして後半22分、逆転のゴールを決めたのも仲川だった。MF天野純、DF松原健を経由したパスを受けると、ペナルティーエリア内にカットインし、左足を振り抜き逆転ゴール。17年夏にJ2アビスパ福岡に期限付き移籍し、長崎とは1度対戦経験がある(0-1敗戦)仲川が、面目躍如の逆転弾にジャンプして拳を突き上げて喜ぶと、アンジェ・ポステコグルー監督も両拳を頭上に突き上げてガッツポーズした。

 横浜の攻撃は1度、火が付いたら止まらない。後半29分、山田がペナルティーエリア左から蹴ったFKがDFに当たって跳ね上がり、落下したこぼれ球を、MF扇原貴宏(26)が左足でたたき込み4-2。そして同37分、天野の左CKをファーサイドで待ち構えたオーストラリア代表DFミロシュ・デゲネク(24)が、ヘッドでゴールに突き刺し5-2。後半ロスタイムにも、ヴィエイラが決定的なシュートを放つなど最後まで押し続けた横浜が長崎を粉砕した。