J2大分トリニータから今季、関東リーグ1部VONDS市原FCに加入した元日本代表MF山岸智(35)が、同じ千葉県をホームにするJ1柏レイソル戦に途中出場し、日本代表を経験した“後輩”FW伊東純也(25)とマッチアップした。

 試合後は「僕らも千葉のクラブで上を目指して戦っている以上は、ここのレベルまで来ることが出来れば…」と目標を語った。

 ジェフユナイテッド千葉と川崎フロンターレ時代には、日本代表にも名を連ねた山岸は後半11分、野田卓宏と交代で左サイドに入った。川崎FでもチームメートだったFWレナチーニョ(31)と前線に出て、攻撃に絡む場面もあったが得点を挙げることは出来なかった。「もちろん、相手は1部リーグでやっているチームだし、レベルの違いはあった。僕らはそこを目指して、まだまだやらなければいけないことが、たくさんあるチーム。結果に下を向くことはなく、いい経験がしっかり出来たと思うので、しっかり上につなげるように、やっていければいい」と冷静に振り返った。「要所、要所でゴールに迫っている部分も、たくさんあった。でも攻守の切り替えだったり、1つのミスで向こうは得点につなげられる。やはり大きな差がある。自分たちも仕留められるチームにしないと」と手応えも口にした。

 マッチアップした伊東について聞かれると「本当に代表に入っても、おかしくないようなレベルの選手。彼がワールドカップのメンバーに選ばれても、僕はおかしくないと思う」と絶賛。その上で「対面してプレー出来たのは、自分にとっていい経験だったと思う」と、35歳になっても飽くなき向上心をのぞかせた。

 三協F柏スタジアムは、千葉時代にダービーマッチを何度も戦った、かつての“完全アウェー”だ。「(柏は)元々、ライバルで常に隣にいたクラブ。このスタジアムでも、たくさんやったので、いろいろな思いはありますけども」と感慨深げに口にした。古巣の千葉は、山岸が08年に川崎Fに移籍後、翌09年にJ2降格が決まり、それ以降はJ2で戦っている。

 山岸も16年にJ1サンフレッチェ広島からJ3の大分に移籍して昇格に貢献し、17年はJ2でプレー。今はJ1から数えて5部の関東1部リーグでプレーしている。「目標が出来た。頑張っていければ。このチームを選んだ以上は、結果を出して1つでも上のリーグに上がっていくことが自分の目標であり、チームの目標でもある。自分の経験もチームに還元したい」と誓った。【村上幸将】