J1浦和レッズのオズワルド・オリヴェイラ監督(67)は、J2東京ヴェルディに勝利後の会見で、DF槙野智章(31)がベンチを外れた理由について「足首が腫れていたので、メンバー外にした」と説明した。

 ただ「週末の試合には間に合うと思う。痛みと腫れがありますので、リスクを避けました。決勝など決定戦なら、今日は頑張ってもらった…そういう状態。週末には頑張って欲しい」と、26日の名古屋グランパスとのアウェー戦には間に合う見込みだと語った。

 試合は、序盤は主導権を握りながら、前半17分以降、東京Vのパス回しに苦しんだ。オリヴェイラ監督は「今日は、自ら途中で難しくしてしまった試合。立ち上がりは良い形ができ、試合をコントロールできたが、その安心感からか途中からブロックを形成できなくなり、攻撃も真ん中から行って止められ、相手には決定機が4度あった」と語った。その上で「ハーフタイムで修整を行った後、後半の立ち上がり20分のようにコントロールでき、相手のチャンスを止め、もっと点が入ってもおかしくない流れになった」と修整を施したことを明かした。

 ただ、東京Vは18日の大分トリニータとのホーム戦から先発全員を入れ替え、リーグ戦で出場機会がない選手も先発した一方で、浦和は19日の清水エスパルスとのアウェー戦から3人しか先発を入れ替えておらず、リーグ戦と遜色のないメンバーだった。質疑応答では「前半の残り20分、7本連続シュートを打たれた一方、東京Vのペナルティーエリアにすら迫れなかった。選手はハーフタイムを待たずに、自ら修正できなかったのか?」などと厳しい質問も飛んだ。

 オリヴェイラ監督は「集中力の問題だと思う。コントロールしていることで、自信が過信になったと思う。いつでも勝てると思ったところから、東京Vの狙い通りになりチャンスが生まれ続けた。まず、しっかりブロックに戻ることをしないといけない。特に左サイドが開いていて、戻っていなかった。そして守備でより運動量がある武藤雄樹を左に持っていき、ファブリシオを右にした」と説明。その上で「相手がボールを奪っている危険なポイントがありますので、センターサークルの方向に向かっていくパスは極力、避けないといけない。そこばかり使われ、4回連続でチャンスを作られた」と語った。

 後半19分に値千金の決勝弾を決め、後半36分にもセンターサークル付近からロングシュートを放ったFWファブリシオ(28)については「すごく大事なこと。彼のような選手がいると、他の選手も自信を持って戦えると思う。勇敢なプレーは誰かがきっかけになりチームに伝染していく」とたたえた。【村上幸将】