オランダ(FIFAランキング8位)が初戦で日本(同18)と対戦し、勝ち点3を逃した。0-0で迎えた後半、主将のDFファージル・ファンダイク(34=リバプール)がセットプレーからヘディングを決めて先制。1-1とされてからFWクリセンシオ・サマーフィル(24=ウェストハム)も右サイドから左足で鋭く決めて突き放したが、その2度リードを追いつかれて勝ち点が3から1となった。地元紙は、ロナルド・クーマン監督(63)の采配を激しく批判している。

オランダ最大の発行部数を誇る全国紙デ・テレフラーフ紙は1面で「苦い後味」と報じ、サッカー欄のファレンタイン・ドリーセン編集長も“記者の目”コラムを掲載。最初の見出しから「ロナルド・クーマンの劇的な(惨めな)選手交代がオランダ代表の首を絞める」と手厳しかった。

「恐怖の代償。それこそが、オランダ代表が日本とのW杯初戦で突きつけられた現実である」と切り出すと「2-1でリードしていたにもかかわらず、89分にまったく不必要な形で同点ゴールを許し、ダラスでの一戦を2-2のドローで終えた。その主な原因は、リードしている場面でのロナルド・クーマン監督の臆病な選手交代にある」と断罪した。

国内も懐疑的な雰囲気が漂っていたようで「クーマン監督と司令塔のフレンキー・デヨングは(強化試合)アルジェリア戦の敗北(0-1)とウズベキスタン戦で辛くもつかんだ勝利(2-1)の後、改善を約束していた」という。

「オランダ国内における代表チームへのネガティブな世論も彼らはある程度、理解しており、日本戦でその空気を一変させるつもりでいた。しかし、オランダ代表はまだその域には程遠い。日本を相手に見せたパフォーマンスは、素晴らしいW杯になるどころか、まともな大会になる保証すらどこにもないことを示している」

前半は「身体を硬直させるほどのW杯のプレッシャーに苦しんでいた。慎重というだけでなく、極めて臆病でさえあった」とも指摘した内容。小見出しで「クーマン監督、交代策でオランダのW杯初戦を台無しにする」とした項では「退屈極まりない試合の序盤だったが、日本の反撃に遭いながらもファンダイクとサマーフィルが得点を決めた。しかし、2-1になった後に攻め立てる代わりに、オランダは自陣に引きこもった。クーマン監督の選手交代によって自ら試合を壊してしまった」と痛烈に批判した。

その理由として「監督はコディ・ガクポ、ドニエル・マレン、サマーフィルを下げてチームから全てのスピードを奪い、リードを逃げ切る守備的な戦いを選択したのである。ナタン・アケを投入してディフェンダーを増やし、守備の意識を強めた」ことを挙げた。

第2戦以降に向けては「当然、2-2の引き分けで何かが失われたわけではなく、スウェーデンやチュニジアといった対戦相手がオランダ代表の決勝トーナメント進出を阻むことはないだろう」と楽観視もしつつ「プレシーズンマッチをへてもなお、クーマン監督や選手たちには何の手応えも残っていない。強いて言えば、サマーフィルが個人技で違いを生み出せるオランダの右ウィングになり得ることくらいだ」とした。

今後は「正しい決断が必要」と提言。「1度リードを奪ったのであれば、代表監督や、ファンダイクや、精彩を欠いたデヨングといったチームのリーダーたちには、正しい決断を下すことが求められるはずだ。彼らは、ボールを保持して日本を決定的にねじ伏せるための主導権を握るのではなく、全員がリードを守るための守備に流されてしまったため、結果として手痛い仕返しを食らうことになった。『自業自得』と言ってしまえばそれまでだが、そんなことを言ってもオランダの誰も救われない。早急な改善が必要だ。さもなければ、このアメリカW杯の旅は、関係する代表選手たちやクーマン監督が周囲に信じ込ませようとしていたシナリオ-『我々は質の高いチームであり、倒すのは難しく、W杯で非常に上位まで進む』-よりも、はるかに短い期間で終わってしまうだろう」とまで書き切った。

最後も「日本戦では、その片鱗すら見えなかった。モロッコ、ブラジル、ドイツ、そして米国など、はるかに強い印象を残した他のW杯出場国と比較すれば、それは一目瞭然である」と締めくくった。

【動画】小川航基の豪快ヘッドが鎌田大地に当たって後半44分同点ゴール