前節は、首位のFC町田ゼルビアが水戸ホーリーホックと0-0で引き分けた一方で、2位の松本山雅FCはアビスパ福岡との上位対決を、後半ロスタイム1分のFWジネイのゴールで1-0で勝った。両チームは勝ち点60で並び、得失点差で町田がわずかに上回る。

また3位の横浜FCが、台風12号の影響で延期となった12日の福岡戦に0-0で引き分け、勝ち点で並んでいた4位・東京ヴェルディに1差をつけた。その東京Vと5位・大分トリニータ、大分と6位に転落した福岡との勝ち点差も1と、上位6チームが勝ち点7にひしめく大混戦だ。

今節は、15日に首位の町田が勝ち点51の7位・大宮アルディージャとアウェーで対戦する。町田はここ9試合で7勝2分けと絶好調だが、チームトップの31試合、2789分間出場のDFの要・奥山政幸の出場停止に一抹の不安がある。一方の大宮も、ここ4戦で3勝1分けと好調だ。またJ1横浜F・マリノスを退団し、8月22日に加入した、新戦力のMFダビド・バブンスキーが大宮デビューするか、注目だ。町田には弟のFWドリアンがおり、兄妹対決への期待も高まる。J2で初対戦となった3月4日の試合は、ホームの町田が3-2で勝っている。

松本は、勝ち点44で12位のレノファ山口FCとホームで対戦する。山口と過去1勝3分け1敗と全くの互角だが、ホームでは1分け1敗と勝ったことがない。16年は前半22分に先制したものの逆転され、後半34、37分のゴールで再逆転したが、同ロスタイム4分に追いつかれ3-3で引き分け。17年も、前半31分にFW高崎寛之が先制ゴールを決め、後半2分にも高崎のプレスを受けたDFが、バックパスしたボールの処理をGKが誤りオウンゴールでリードしながら、後半39分からの7分間で3連続失点で悪夢の逆転負けを喫した。

一方の山口は、6月16日の徳島ヴォルティス戦に2-1で勝ったのを最後にここ12戦で6分け6敗、3カ月も未勝利と長いトンネルが続いている。7月に東京Vから加入のFW高井和馬は8戦で1ゴール、J1北海道コンサドーレ札幌から加入のFWジュリーニョも4戦1ゴールと、期待通りの活躍が出来ていない上、MF池上丈二が右距骨骨軟骨損傷で手術を受け、全治3カ月と診断された。ただ、松本がホームの過去2戦で味わった“悪夢”を忘れられないなら、付け入るスキはある。

16日には横浜FCが水戸、東京Vが勝ち点26でJ3降格圏21位のロアッソ熊本と、それぞれホームで対戦する。横浜FCは1勝4分け、ホームで1勝1分けと水戸に近年、負けていない。また東京Vも熊本には1勝1分け、ホームで2連勝と分はいい。

福岡はアウェーで勝ち点41の13位ジェフユナイテッド千葉と対戦するが、アウェー戦では4分け2敗と近年、勝てていない。一方、千葉は1日の山口戦に4-0、9日の前節ファジアーノ岡山戦に2-0と連勝で復調してきた。攻撃ではFW船山貴之と指宿洋史がともに2戦連発と好調で、守備でもGK大野哲煥が、リーグ戦初出場&先発となった山口戦と岡山戦で連続完封し台頭。攻守に勢いが出てきており、クラブ新記録の7連勝でJ1昇格プレーオフに進出した、17年を思わせる。

例年にも増して大混戦のJ2だけに、試合日が1日早い町田と松本は、是が非にでも勝って、3位以下にプレッシャーをかけたいところだ。