サイバーエージェントが1日、都内で会見を開き、J2のFC町田ゼルビアの運営会社・株式会社ゼルビアが第三者割当増資で発行する株式を引き受け、8割の株を取得し、子会社化すると発表した。町田は今後、サイバーエージェントグループの傘下に入る。

サイバーエージェントは、第三者割当増資の概要も明らかにし、町田が新たに発行した普通株式2万2960株を1株につき5万円、総額11億4800万円で引き受けたと発表した。引き受け契約は10月16日に締結し、同17日に払い込む予定だという。サイバーエージェントは1998年(平10)3月18日に設立し、18年6月末現在の資本金は72億300万円だという。

藤田晋社長(45)は、2006年3月に東京ヴェルディ1969(現J2東京ヴェルディ)を運営する、日本テレビフットボールクラブとの業務・資本提携を発表し、日テレに次ぐ2位株主となったが、成績低迷などで2年で撤退した理由について「ヴェルディさんの時は、筆頭株主ではなかったので、思うような経営参画が出来なかったので撤退。我々も成長している企業なので規模的にも耐えられなかった」と説明した。

一方で「僕がいたころのヴェルディは、かなり選手補強の補強費は断トツだったのに、それでも勝てず、サッカーって不思議だなと思った。決して日本テレビが悪いわけじゃない…誤解のないように。ただ限界を感じて撤退した」と、東京Vに関わったときにサッカー経営の難しさを感じたことも吐露した。

その上で「サッカーをやって、よく分かったのが、やっぱりサポーター、スポンサー、選手、監督の顔色を伺い続けてもダメで、関係者が複雑で意志が強いために、強いリーダーシップがないとサッカークラブは経営できないと学んだ。ですから今回、かなり大多数の株式取得にこだわった」と8割もの株式を取得した意図を説明。「強いリーダーシップを取らなければ難しい。今回、それを学んで生かした」と強調した。

また「町田は驚くほど質実剛健で、作り上げてきたサッカーチームとしての文化、経営陣と監督の優秀さで成り立っている。それを尊重しながら、世界的クラブに持っていくところに、どう描いていくか、という感じ」と町田に可能性を感じていると語った。【村上幸将】