時代が変わってもサッカー界のキングはカズだ。52歳になったJ2横浜FCのFWカズ(三浦知良)が27日、恒例行事となった誕生祝いに、白のスーツ姿で登場した。約50人の報道陣から特注ケーキと52本の赤いバラをプレゼントされ52歳の目標に先発出場と得点、J1昇格を掲げた。誕生日の26日には皇居・宮殿での天皇、皇后両陛下主催の宮中茶会に招かれた。平成を現役で駆け抜けたカズは、サッカーへの情熱が増していることも吐露。元号が変わる今季もサッカー界を引っ張る。

カズが52歳の誕生日に合わせて選んだスーツの色は白だった。47歳の時から恒例行事となり、毎年、異なる色のスーツを披露してきた。過去に着用したスーツの色をすべて挙げ「はっきり言って、もう色がありませんでした。また白に戻りました」と47歳の時と同じ白に戻った経緯を明かした。色は同じでも、もちろんスーツは別もの。5年前はダブルだったが、今回はスリーピースで値段は約80万円。52歳は「先発出場にこだわって、その中でゴールとアシストの数字にもこだわっていきたい。1試合でも多くピッチに立っていたい」と目標を掲げた。

誕生日だった26日は天皇、皇后両陛下主催の宮中茶会に招かれた。皇后さまから「1度、お会いしてお話をしたかったです」と声をかけられ、長年サッカー界を引っ張ってきた功績をたたえるお言葉をいただいたという。カズは「非常に光栄でした。自分の祖父母が生きていたら、本当に喜んでくれるんじゃないかと思いますね」としみじみ語った。

プロ34年目。平成のすべてを現役で走り続けてきた。平成がまもなく終わりを迎える中「平成に入ってブラジルから日本に帰ってきて、まだ日本でサッカーがマイナーなスポーツだった時にJリーグができた。日本代表を強くして、Jリーグをもっと皆さんから愛されるリーグにしたいという気持ちでやってきた。26年間で大きくサッカー界は変わりましたし、変われたと思う。自分自身は、その中でやってこられたことは幸せに思いますし、感謝したい」と振り返った。

52歳にして現役を続ける理由を「18歳でプロになった時からサッカーに対する意欲、情熱が何も変わっていない。逆に増しているんじゃないかと思うぐらい。その情熱が原動力」と話す。間もなく訪れる平成の次の時代も間違いなく、カズはサッカー界を引っ張っていく。【岩田千代巳】