聖和学園(宮城)が大会史上初の男女アベック優勝を果たした。男子(宮城1位)は前半16分にMF古賀楓真(3年)がセンターサークル付近から敵陣へドリブルで持ち込み先制するなど、個人技を駆使したサッカーで八戸学院野辺地西(青森2位)を下し3年ぶりの優勝。女子(宮城1位)は伝統のパスサッカーを柱に5ゴールを奪い専大北上(岩手1位)を圧倒した。

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聖和のテクニカルサッカーを象徴するかのようなゴールだった。前半16分、華麗にドリブルを始めた古賀は、ペナルティーエリアに入ってもやめようとしない。最後は相手3人に包囲されながらコースを見極め右足で決めた。「思い通りですけど、シュート前にタッチミスもしたのでまだまだです」とスーパーゴールにも浮かれることはなかった。

雨でも、個人技は裏切らなかった。応援席には「記憶に残るサッカーを!」「いつ魅せるの? 今でしょ!」の横断幕が並ぶ。加見成司監督(46)は「条件が悪い時こそ技術が出る。こういうサッカーがあってもいいと思う。決して自己満足のプレーではなく、技術を突き詰めれば自然と勝てるようになる」と話す。17年の全国選手権では野洲(滋賀)とのセクシー対決を7-1で制した。軸はぶれない。走り込みも常にボールとともに行う。古賀は「練習でもドリブルばかりしている。素走りしているチームには負けない」とドリブラーのプライドをのぞかせた。

準決勝ではセカンドチームとはいえ王者青森山田(青森1位)を破った。DF金子力丸主将(3年)は「うちのサッカーには、青森山田や流通経大柏とかには勝てない、先がないとか批判的な声も聞きますけど、結果で証明したい」。女子は日本一4度を誇る名門。第1試合で5-1で圧勝した姿を目に焼き付けて決勝に臨んだ。金子主将は「女子はさすがです。あれぐらいじゃないと全国で戦えない。男子もさらに技術を磨いて全国でもアベック優勝を目指します」と強い決意を口にした。【野上伸悟】