北海道コンサドーレ札幌は7日、熊本市内でJ3ロアッソ熊本と練習試合(45分×3)を行い、1-3で敗れた。新型コロナウイルスの影響によるJリーグ中断中での実戦は、前日に入念なミーティングを行うなど、公式戦さながらのシーズンモードで臨んだが、下部カテゴリー相手にFWジェイ(37)の1得点のみで終わった。守備面での課題も浮き彫りになり、反省ムードが漂った。

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ジェイは静かなトーンで試合を振り返った。2本目25分から出場。その10分後、右サイドMFルーカス・フェルナンデス(25)からのクロスをシュートし、外しても冷静にこぼれ球を押し込んだ。先制となるチーム唯一のゴール。「ルーカスのクロスも良かったし、自分もいい動きで相手の前に入ってゴールできたと思う」とうなずいたが、3本目が納得できなかった。45分間で立て続けに3失点し逆転負け。「守備の練習をした方がいい。失点が多い。J3のチームに簡単に崩されてゴールを決められた」と反省し、今後の練習のテーマを掲げた。

今季から取り組むハイプレスは、定着しきれていない。柏レイソルとのリーグ開幕戦では2-4で大量失点に泣いた。この日は1本目から2本目途中まで出場した主力組が、敵陣深くでボールを奪う場面を何度も見せたが、一方でその隙を突かれてカウンターを仕掛けられる場面もあった。先発したFW鈴木武蔵(26)は試合を通じて「良くも悪くもなかった」と首をかしげた。

7日は札幌ドームでのガンバ大阪とのホーム開幕戦を迎える日のはずだった。Jリーグ再開時期は不透明で、熊本キャンプも延長された。モチベーションを保つのが難しい状況のなか、チームの士気は下がっていなかった。前日6日には練習試合では異例の約1時間20分のロングミーティングを実施。鈴木は「(公式の)試合の時くらい長かった。試合がどうなるかわからないけど、練習試合をしっかりこなして公式戦への準備をやっている」と話す。

ベンチに座って見守っていたミハイロ・ペトロビッチ監督(62)がレフェリーの判定に納得がいかず、思わず立ち上がり訴える場面があった。「練習試合でも紅白戦でもどんな試合でも負けたら悔しい。勝ちたいって気持ちが足りない」と残念がるジェイの姿。こんな状況にも、チーム内のシーズンムードの継続はできている。

「私たちはプロフェッショナルに前向きに練習しながら準備しないといけない」とジェイ。リーグ再開を待ち望んでいるのは、サポーターだけではなく選手も同じだ。【保坂果那】