J2アルビレックス新潟は新型コロナウイルスの影響でリーグ戦が中断する中、再開に向けた練習を続けている。

開幕の群馬戦(2月23日)でベンチ入りしたルーキーのFW矢村健(22)が存在感を示している。新潟医療福祉大3年時の18年に入団が内定し、4年生の昨季は特別指定選手で1試合に出場した。新鋭が今季、本格的に戦力として始動する。

矢村の思いはシンプルだ。「アピールするしかない。自分の特徴を出す」。練習からそれを実践。前線にボールが出るたび、守備網の裏に飛び出すタイミングを計る。ボールを持ったら迷わずシュートを狙う。「だいぶシュートを打てるようになったけど、もっと決めないと」。18年北信越大学リーグ28得点の「決定力」が売り。試合形式の練習で、シュートがゴール枠内を捕らえる本数が少ない時は悔しさを隠さない。

開幕ベンチ入りはうれしかった。2月の高知キャンプ中盤に負傷、出遅れた感があったが、その後の仕上がりをアルベルト監督(51)ら首脳陣が見ていてくれた。ただ、満足はしていない。「出られるようにしないと」。昨季もキャンプに参加しており、即戦力を自負している。

群馬戦でゴールを決めた渡辺新太(24)にファビオ(22)、そして、ベテランの田中達也(37)らFW陣の競争は激しい。新潟医療福祉大の佐熊裕和監督(56)には開幕ベンチ入りを報告しなかった。「スタメンを取った時に報告する」。再開後、ポジション争いを勝ち抜いたことを恩師に伝えるためにも汗を流す。【斎藤慎一郎】