華麗な舞でサポーターとともに選手を後押し。「みちのくチア探訪」今回は、Jリーグのベガルタチアリーダーズに在籍する双子の姉Yuuと妹Mai(ともに年齢非公表)を紹介します。下部組織にあたるスクールで小2から活動する生え抜きで、トップチームは今季で2年目。チア歴は計11年になる。03年に始動し、仙台のプロチームとしては最も歴史のあるチア集団でハツラツと輝いている。

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宮城・利府町出身の姉妹は保育系の専門学校に通う学生で、週2のレッスンをこなしながら試合がある週末はチアリーダーに変身する。ルーキーだった昨季、スクール時代はほとんど立てなかったユアテックスタジアム仙台で1年通してパフォーマンス。そのほかにも高齢者向け健康体操教室、園児ら対象のチアダンス教室などのイベントを行い、フルシーズン駆け抜けた。

試合日のベガルタチアの出番はキックオフ1時間前とハーフタイムの2度。Yuuは「スタジアムだとサポーターとの距離感があり、ダイナミックに大きく踊ることを意識しています。逆にイベントだとお客さんと近いので、表情をより豊かにするようにしています」。Maiは「サポーターに『ベガチアも自分たちと同じ気持ちで戦っている』と思ってもらえるようなパフォーマンスを届けられるようにしています」。12番目の選手と一緒に本拠地の雰囲気を演出する。

昨季のベガルタ仙台はホームで9勝4分け4敗。リーグ4番目の好成績を収めたもののアウェーで沈黙し、残留争いに巻き込まれた。Maiはサポーターがハーフタイムも休まず声援を送ったリーグ終盤のホーム戦を挙げ「いつもだったらパフォーマンスしますが、そのときは内容を変更し『一緒に応援しよう』となり、スタジアム全体の一体感を感じました」。一番記憶に残るワンシーンになった。

姉妹が幼かった頃、サッカー好きの父に連れられ、何度もユアスタに通った。試合中は当時の中心だった梁勇基(現鳥栖)を目で追い、笑顔で会場を盛り上げるチアにも夢中。そして憧れのお姉さんたちから直接レッスンを受ける機会が訪れた。優しく声をかけられ一緒に踊った楽しさが忘れられず、運動未経験、体も硬かったが、ベガルタチアスクールのオーディション受験を決意。2人はダンス練習や柔軟体操を毎日欠かさず合格し、今につながるスタートラインに立った。

チアを始め10年以上の月日が流れた。それでも二人三脚で歩む姿はオーディション前と変わらない。Yuuは「自宅でも2人でいるので、Maiが食事に気をつけていると『私もやらなきゃ』と思いますし、お互いで体形、食事管理をしています」。トレーナー考案メニューを消化し、管理栄養士に勧められた料理を作り、コンディションを整える。一番の理解者で一番身近なライバルでもある姉妹。いつしか2本柱と呼ばれるように日々お互いを高め合う。【山田愛斗】